もしもの話。【僕のヒーローアカデミア】 (ページ25)

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２３. ページ25

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「そういえばお前、ヒーロー科編入出来るかもしれないってなんで知ってたんだ？」

「あぁ、クラスメイトにヒーロー科志望の男の子がいてね。その子が教えてくれたんだ！一緒に頑張ろうって。

その子の個性もすっごい強くて！負けないように頑張らないとなって─── …。」

「…そうか。」

焦凍が浮かない顔をしている気がして、もう一度そちらに視線をやる。と思ったんだけど、…いつも通りだ。

「飯、食ってくか？」

「ううん、お母さんが用意してくれてるだろうし、大丈夫。色々あって大変だったのに、話聞いてくれてありがとうね。」

高校生になった今も、焦凍は家のことを心配してくれている。あれからちょっとだけ大人になった私は、今は家の中のことも少しずつだけどちゃんと解決できている、と思う。

幼い頃は私に向けられていた大事そうな視線も、6年前に弟が生まれてからは少なくなった。
今年小学校一年生になった弟は、お父さんとお母さん(・・・・)の正真正銘の息子だ。

血が繋がった子供をより大事にするのは当たり前のことだと思う。弟は私よりも優秀だし、大事にされている。全部、当たり前のことだ。だけど、やっぱり…。

「…話してくれて、ありがとな。」

ぽんぽん、と暖かい手が頭を撫でた。さっきは感情が昂っていて気づかなかったけど、子供の頃よりも大きくてゴツゴツした手は、"男の人"のそれだ。身体つきだって入学してたった数日でさらに"男の子"から"男の人"になっている気がする。

焦凍の手が、そのままするりと後頭部を撫でた。導かれるように顔を上げれば、その口元は緩んでいた。

…ドキッ。

ドキ？…ドキってなんだ。これはときめきってやつ？…焦凍に？

「ひゃ、え、あ、うんっ！ありがとう！また明日ね！」
「？」

バタバタと焦凍から離れて手を振り、逃げるように家の中に滑り込んだ。ドキドキと胸が鳴る。顔が熱い。きっと今、私の顔は茹でだこのようになっているだろう。

そんなはずはない、幼馴染は幼馴染だ。これはきっと、焦凍の顔がイケメンすぎるせい。きっと、そうだ。

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