もしもの話。【僕のヒーローアカデミア】 (ページ22)

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２０. ページ22

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次の日、部屋に引き篭りっぱなしの私を可笑しいと思ったのか、あの日(再婚の日)からあまり話しかけて来なかったお父さんが声を掛けた。

「そろそろ起きたらどうだ？暇だったら庭の草むしりでもしてくれないか。」

カタツムリのように丸くなっていた私はもぞもぞと動き出す。気は乗らないけど、お父さんから話かけられるのは嬉しかった。…やるしかないかあ。

適当なTシャツとジャージに着替えて外に出る。気にしてはいなかったが普通の家より少し大きめの庭は、緑が生い茂っていた。

「わあ、いっぱい...。」

プチプチと草を抜いていく。何も考えなくて良い単純作業は、今の私にぴったりだった。せめて謝れれば、嫌いだなんて言わなければ。そんな思いがぐるぐると渦巻いていく。

それでも4歳が続けられる集中力なんてたかが知れている。こんなに頑張ってもなくなった草は全体の1割くらい。もう、無理だ...。

「この草、全部なくなればいいのに。」

そう、願望を呟いた瞬間。

庭一面に生えていた雑草たちが、一瞬で引っこ抜かれて一箇所に山になっていく。...え、草が勝手に動いた。何これ。

「お、お父さん...！」

何が起きたのか、頭が追いつかない。怖くなって涙が零れる。珍しくぎゃんぎゃん泣き声を上げる私に「何事だ！」と慌てた父親は、その光景を見て目を丸くした。

病院に連行された私は、色々実験みたいなことをされた結果、これが個性だと知った。

「娘さんの個性は、言霊(ことだま)ですね。生命を持ったものに念じるように声をかけると、その通りになる個性です。…お察しの通り、超強力な個性ですね。

今回の状態を聞くに、個性のコントロールができていないようですね。今は強かれ弱かれ念じて発言したことが、全て個性として出てしまっている状態です。

これからは病院に通いながら少しずつコントロールを…──。」

個性が制御できていない(・・・・・・・)…？
言葉が、本当になる…。

じゃあ、琳寧くんがいなくなったのは、私のせい…？

目の前が、真っ暗になる。こんな個性なんてなければ、私さえいなければ、琳寧くんがいなくなることはなかった。皆、いなくなってしまう。私がいると、ぜんぶ、全部…。

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