もしもの話。【僕のヒーローアカデミア】 (ページ19)

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１７. ページ19

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とてつもなく長く感じた6限目の現文の授業が終わり、帰り支度をするクラスメイトを他所に、私は机に突っ伏したままだった。

『大丈夫なの？』

あれから、震える手で送信したメッセージには、既読すらついていない。

焦凍に何かあったらどうしよう、もう会えなくなってしまったらどうしよう。

大丈夫だと信じたい心と、不安で押し潰されそうな心がぐるぐると渦を巻く。

襲撃されたと言っても校内での出来事だから、きっと1度ここには帰ってくるだろう、そう思って教室から動けずに居た。

傍にいた人が、居なくなるのは怖い。
教室からは人がいなくなったのか、女子生徒の声と足音が遠ざかっていくのがわかった。

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私には幼い頃、もう1人仲良しの男の子が居た。

その子は琳寧(りんね)くんという名前で、クリームがかった白髪が綺麗な子だった。

焦凍は私立の有名幼稚園に通っていたので、人見知りの私はなかなか友達を作れなくて幼稚園で馴染めずに居た。

琳寧くんは優しい子で、その性格故に揶揄われがちだった私をいつも慰めてくれた。

「お前は弱っちいから無理だよーだ！」

「こんな下手くそな短冊で叶うかよ～！」

その当時、他の幼稚園生と同じように、ヒーローオールマイトやエンデヴァーに憧れていた私は、当時からヒーローになりたいと密かに思っていた。

七夕が近づいたある日、"おーるまいとみたいになりたい"と書いた短冊を奪われ馬鹿にされ、隅っこで泣いていた。

そんな私の隣に腰掛け、ぎゅっと手を握ってくれたのが最初だった。

それから琳寧くんは、「お友達になろう。」と優しく笑って私の手を引き、「ここ、お気に入りなんだ。」と園庭の花壇に案内してくれた。

綺麗に咲く花々は色とりどりで、私の心を確かに癒してくれた。

家でも疎外感を持っていた私は、幼稚園では琳寧くん、それ以外では焦凍が、唯一の心の拠り所になっていた。

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