もしもの話。【僕のヒーローアカデミア】 (ページ16)

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１４. ページ16

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焦凍Side.

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昨日雄英高校

一般入試の内容に文句を言いたい訳ではなかったが、あいつのために何とかしたくて放課後の職員室を訪ねた。

担任の相澤先生はそういうことを掛け合っても何もしてくれないと思っていたが、返ってきた反応は意外なものだった。

「…俺もあの入試の内容は合理的ではないと思っていたんだ。現に轟の幼馴染のように優秀な人材が不合格にさせられているわけだからね。

これは、公には明かされていないことだが──…。」

どうやらAの他にも強い個性でも入試の内容が合わず、落ちてしまった生徒がいるらしい。

そういう奴らを救済…というわけではないが、体育祭で優秀な成績を収めること、編入試験に合格することを条件に、ヒーロー科への編入を検討してくれるとのことだった。

これは、一刻も早くあいつに知らせなくては。そう思った。

相澤先生にお礼を言い、帰路に着きながら『今日、時間あるか。』と連絡を入れる。

いつもはすぐ既読が付くはずなのに、スマートフォンはそれからずっと音沙汰無しだった。

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昨日の話を伝えたくて、しゃがみこむ背中に声を掛ける。振り返ったAは、何故か苦しそうな表情に見えて、こちらまでズキリと胸が疼いた。

「なんで、」
昨日、連絡返してくれなかったんだ。

そう言いかければ、遮るようにAは走り出した。

…なんだ、これ。なんで俺は避けられてるんだ。

遠くなる背中を見つめながら溜息を吐く。今まで一度だってこんなことはなかった。いつだって側にいた。

親父との地獄のような鍛錬だって、終わった後にAが暖かい手で撫でてくれるのが嬉しくて、そのために耐えられた。

なぁ…A。俺を置いて行かないでくれよ。

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