もしもの話。【僕のヒーローアカデミア】 (ページ13)

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その後、わんわん泣いた私を笑いながら慰めてくれた3人から、焦凍との関係を取り調べのように質問責めされた。

「ただの幼馴染だよ」って説明したけど、透ちゃんは恋バナが大好きみたいで、何でもこじつけられた。確かに焦凍はイケメンだけど、ただの幼馴染なのになあ。

…それに、焦凍の隣は誰が見てもヒーローで優しくて、可愛い子が似合うに決まってる。

だけど、その何でもない会話が楽しくって、幸せだった。3人と交換したばかりの新しい連絡先を眺めては、にやにやしてしまう自分がいた。

「心操くんっ！」

その日の放課後、下駄箱から外履きを取り出した彼に「ちょっと、時間…貰えないかな？」と声を掛ける。

頷きながら笑みを浮かべた彼は、やっぱり私の考えを見透かしているようだった。

「── ということがあったの。
それで…、

私、頑張りたいと思った。」

やって来たのはあの日と同じ公園。例の如く、ベンチに腰かけた私と心操くんの間にはこの間の白猫(ハク)が微睡んでいて、微妙な距離が空いている。

心操くんにヒーローになりたいかと問われてから考えていたこと、胸につっかえていたもの、…そして今日の昼休みに起こったこと。

そして、私の想いを彼に話した。

どうしてここまでスラスラと想いを伝えられたかはわからないけど、

言葉にしてみると更に『ヒーローになりたい』という想いが強くなった。

「分かってたよ。君がヒーローになることを諦めたくないと思っていることなんて。

…頑張ろうね、A。」

そう、私の名前を呼ぶ心操くんは、
心做しかスッキリした表情で、キラキラ輝いて見えた。

こんな私でも、彼の心を少しでも救うことができたんだろうか。…そう、自惚れてしまうような表情だった。

「これから忙しくなるよ。そんなへなちょこでどうやってヒーローになろうとしてるわけ？」

「うっ…ごもっともでございます。」

「俺も頑張るから、一緒に頑張ろう。ヒーロー科の先生に掛け合ってみたりとかさ。」

「うん、お互い頑張ろうねっ、人使くん。」

誰かと"一緒に"頑張るって、こんなにわくわくすることなんだ。

先程までどんよりと曇っていた空は、雲が割れて太陽が顔を出していた。

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