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っと.....そうだ、彼...中也さんに伝えて置かなくてばならない。
マフィア本部の廊下に繋がる扉から回れ右をして、彼の目を見つめる。
放っておけばいいかと思ったけれど、真実を知った時に可哀想な気もしてくるし、迷信をずっと信じているのもなんだか悲しい。
「.....?どうした?」
不思議そうに、それでいて未だ顔をほんのり染めた中也さん。
その青い瞳に吸い込まれそうになりながらも、腹の奥から声をだした。
_____牛乳って、身長伸びませんよ
その後はあんまり記憶がないけれど、顔を更に真っ赤にさせた中也さんに怒鳴られたのは確かだった。
―――
何故怒られたのだろうか.....
う〜ん...と絞り出すような悩み声を出していると、背中に少し強い衝撃を感じた。うわっ、と情けない声を出しながら前によろめく。
ストッと大切を整えて後ろを振り向けば、真っ黒な外套を羽織り、口元に手を当てている_____
「.....通路の真ん中でぼうっとするな。」
「あっ、すみません」
___横浜の名の知れた指名手配、芥川龍之介の姿。
いてて、少しだけヒリヒリする背中を優しく自分でさする。言わずもがな、先程私を押したのは芥川さんだ。あんなに細い腕からどうすれば力強く押せるのかが不思議でならない。
芥川さんとは同じ歳の二十歳だけれど、私は彼よりも遅くマフィアに入った為に先輩後輩の関係。
二人とも上級構成員という立場は同じだけど、マフィアはどの会社よりも上下関係が厳しい。
故に私は芥川「さん」と呼ばなくてはならない。
まあ上下関係よりも明らかに異能力を持っている彼の方が強いのだが。
そんな芥川さんは過去にも武装探偵社と激戦を交わし、近い将来幹部になるのではと噂されている。.....まあ「武装探偵社」という単語を出すだけで彼の機嫌を損なう事になるので誰も言葉にはしない。
なんでだろう。凄いことなのになぁ
「...おい賀山。聞いてるのか」
「あっはい、聞いてません」
私の返答に顔を曇らせる芥川さん。
本来こんな態度をとってしまえばまず部下達は殴られるだろうに、私の場合はそれがない。同い歳の特権だろうか。
だから正直にいって、マフィアの中で個人的に1番優しいのではと思う。あっ違うな、1番優しいのは広津さんかもしれない。
ごめんなさい芥川さん、あなたは2番目に優しいです。
前にマフィアの友人にこの事を言えば頭大丈夫かと言われた。何故だ。
中也さんの方がよっぽど怖いと思う。
牛乳の件で怒鳴られた事を思い出して小さくブルっと震えた。
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チョーク*(本垢)(プロフ) - 私が新しいアカウントになります〜!!更新、お知らせ、新しい作品は全てこちらのアカウントでさせて頂きます!よろしくお願います! (2019年1月20日 11時) (レス) id: 5d8f01d30c (このIDを非表示/違反報告)
チョーク*(プロフ) - 中也の帽子さん» コメントありがとうございます!私の願望を詰めただけの作品なんですが(笑)そういってもらえて嬉しいです!更新遅めですが、宜しくお願いします! (2018年7月15日 18時) (レス) id: e74d4ea6bf (このIDを非表示/違反報告)
中也の帽子 - くそう、中也が可愛すぎる。呼び捨てで呼んで欲しいとかマジでいい!応援してます。 (2018年7月8日 20時) (レス) id: 970964fd31 (このIDを非表示/違反報告)
チョーク*(プロフ) - 光餅さん» コメントありがとうございます!発想が素敵…?!わわ、嬉しいです!中也さんを可愛く書けている様で安心してます(笑)気遣い嬉しいです、更新頑張ります^^* (2018年5月3日 14時) (レス) id: e74d4ea6bf (このIDを非表示/違反報告)
チョーク*(プロフ) - 中也ラブ*♪さん» コメントありがとうございます!中也さんを可愛く書けているか心配だったので嬉しいです…!更新頑張りますね^^* (2018年5月3日 14時) (レス) id: e74d4ea6bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チョーク*(本垢) x他1人 | 作成日時:2018年5月2日 21時