甲斐くんの彼女。 3 (ページ37)

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柊「..いい顔だ」

クラスの皆の表情を見て、先生がはっきりという。

柊「俺には学生時代からの友達がいる。彼女は、武智先生と秘密を暴いたことで、フェイク動画を流されて、それがきっかけで精神を病んだ。
俺はその、フェイク動画の証拠を掴むために、武智がいるこの魁皇高校に入った。
だが..学生時代に患っていた癌が再発して、無駄に月日を過ごすことになった。
そんな時..景山のフェイク動画が投稿された。
俺は景山に会って、話を聞くことにした。けどその帰り..景山は武智を説得するために、1人で学校を出て亡くなった」

ぎゅ..と、思わず左手首を強く握り締めた。

宇佐美「じゃあやっぱり武智が..?」

柊「あの日、武智は景山に会っていない」

震える宇佐美の言葉をちゃんと否定した先生。

柊「景山を殺した、本当の犯人は..」

先生は、1つ1つ私たちに分かるように説明してくれた。

澪奈を苦しめた犯人を。

澪奈が..苦しめられていた事実を。

柊「景山は..泣きながら俺に訴えたよ。

私はもう私じゃない。

助けて、先生!

って。

..結局俺は、何も出来なかった。

景山の力に..なってやれなかった。」

一颯くんの言葉は..私と一緒だった。

私を慰め続けていた彼も..同じ思いをずっと胸に秘めていた。

柊「あの日無理にでも景山と一緒に行けば、こんな悲劇は起きなかったんじゃないかと自分を責めたよ。
でも、その時は回避出来ても、いずれこのままだと彼女は同じ目に遭ってたんじゃないかと、そう思ったら..俺は今回のことを、きちんと、ちゃんと、明日の活力に変えるべきだと..考えるようになった。

景山が亡くなった日..俺は余命を宣告されたんだ。
景山よりも先に死ぬはずだった俺が..やるべき事はなんなのか、自問自答を続けた結果..今回の計画に至った」

澪奈を失い..一颯君まで失ったら..

あの日のあの感情は忘れることは無いだろうし..今でもふとそう思う時があった。

..この事件が起きる前まで、何度も。