甲斐くんの彼女。 3 (ページ21)

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Suwa.side

しーんと静まった教室。

河合「それより皆、どうする?」

花岡「どうもこうもないでしょ!!私達裏切られたんだよ!?」

普段なら怒りそうな言葉なのに..Aはただぼーっと机を眺めている。

兵頭「景山は!
フェイク動画の犯人に会いにいくって言ってたんだよな?
なら、フェイク動画の犯人も先生なのかな?」

結城「それは違うんじゃない?武智もそこは認めてたじゃん」

魚住「景山さんを..自殺に見せかけて殺したっていうの..?」

須永「その可能性はまだ残ってるってことだよな?」

隣の須永の言葉に、Aは肩を揺らした。

..今のあの子はつい最近まで持っていた消えてしまいそうな雰囲気を持っている。

綺麗な言葉でいえば、儚さを。

その儚さを抑えるのが..良くも悪くもブッキーだった。

西崎「この動画をマインドボイスにアップしよう」

西崎の言葉に皆が困惑する。

堀部「なんで..?」

西崎「これは犯罪だ。きちんと公表すべきｰｰ里見「俺は反対だ!!」

秋庭「私も」

花岡「私も!!」

石倉「親衛隊は黙ってろ!!
..ちゃんと考えろ!!
あいつは、人殺しかもしんねぇだぞ!?」

振り向いて石倉を見つめるAの瞳は涙で濡れている。

諏訪「ブッキーは違う!」

石倉「じゃああの動画は何だよ!!」

諏訪「..人を殺すような人間に、あんな説教ができるか」

石倉「そんなのお前の史観にｰｰ諏訪「史観だったらなんだよ言ってみろ!!」

私と石倉の睨み合いが始まる。

掴みかかりそうな勢いの石倉を、中尾が止めた。

西崎「見てくれ。
今..SNSでは武智は完全に殺人鬼扱いだ。
まるで..死ねと言わんばかりの誹謗中傷を浴びてる..。
これでも公表しないって言うのか?なぁ?」

..澪奈の時と一緒だ。

皆そう思ったのか、教室は静かになる。

堀部「..ネットに晒されたらその人の人生が一変するって西崎!!
それ西崎が1番わかってんじゃないの!?」

西崎「分かってるよ!!

..分かってるから武智を救うべきだっつてんだよ..」

そう。

私達は..今日までのブッキーの授業で

..ネットの怖さを知っている。