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3月7日23時10分| ページ18

「..さむ」



廊下に出ると思わぬ寒さに身震いする。



暖房完備の有り難さを実感した。





里見「..着るか?」



先に廊下にいた里見が、自分が着てるジャージを渡してくれる。



「いいの?」



里見「あぁ、別にいいよ」



大人しく着させてもらうと..静かな空気が流れた。






「..で、話って何?」




里見「..本当に悪かった」




「何について?」




里見「..景山のことも..冬休みのことも」





「悪いと思ってたんだ」




里見「..先生に言われたんだ。


"お前が見たかったのはあの姿が?"って。



"自分が彼女にしてあげたかったことはあれか?あの表情を見るために..お前はあんなことをしたのか?"って。



..お前さ、俺と初めて話した時のこと覚えてる?」




「そりゃあ覚えてるよ。
こんな下手に絵を描ける人いるんだって思ったもん」




里見「うるせぇよ笑


..俺お前の笑ってる顔が好きなんだ。

泣き顔なんか見たくなかったんだよ」




里見の声には..“後悔“が滲み出ていた。




里見「景山に言われたことが図星だったから、俺は勝手にあいつを妬んだ。
そのせいで..あんな事件がおきた。

謝って何になるんだって話なんだけど..あやまらせてくれ。
ほんとに悪かった」





頭をさげる里見。




「..許す」



頭にチョップすると、里見は抑えながら顔をあげた。



「..私を泣かしたことは許してあげる。
でも、澪奈の件は許さないよ。
それは里見だけじゃない。皆そうだし..私だって許されていいわけない」





澪奈は..私を守ろうとしてくれた。



私の弱さが..澪奈を傷つける理由になった。




「誰も許されちゃいけない。
ずーっと、過ちを抱えて..二度と起こさないようにしなくちゃいけないから」




1人でも..澪奈のような犠牲者を減らさなくちゃいけない。



先生は..そのためにこんなことをしたんだ。





「でも、私の事はちゃんも許してあげる」



いつもと同じ余裕そうな笑み。




「ま..海斗くんが私の言うことをちゃーんと聞くならね」




里見「はいはい、だろうと思ったけど....は?」



何度も瞬きして私を見たあと..急に顔を手で覆った。




「..え、そんなに嬉しい?」



耳まで赤い里見。



..若干引くよ、私。





里見「もうお前に何言われても傷つかないし..てか、なんで君付け?」



「隼人と似てるじゃん」



カイトとハヤト




私がそういうと里見は唇をとがらせた。



「キッモ」



里見「やっぱ傷つくわ」

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涼宮美桜 - このお話すっごく好きです!これからも更新頑張ってください!応援してます!! (2019年5月5日 1時) (レス) id: 67fa9efd8d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぽかぽか笑顔 x他1人 | 作成日時:2019年4月4日 12時

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