甲斐くんの彼女。 3 (ページ16)

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真壁「どうかした?元気ないじゃん」

手を洗ってると、隣の蛇口をひねる真壁。

「..そう?」

真壁「いつもなら一目散に鞄取りいくくせに」

「そのせいで隼人に叩かれたけどね..」

痛かったぞ、あれは。

熊沢「じゃあー..里見?」

「いやいや、違うから。ないない」

ニヤニヤとした表情の熊沢の視線が遠くに向く。

私も真壁もその視線を追うと、前の扉の方で里見と花岡が話していた。

花岡「海斗がAを好きだったなんてね..私と別れたのもそういうこと?」

里見「まぁ..」

真壁「あいつら..俺達がいること気づいてないよな」

思わず3人とも苦笑いしてしまう。

秋庭「ちょっと沙良。それは酷くない?
ねぇ、玲央?」

金沢「いやいや、私は遠くから見てるだけでお腹いっぱいになれるから..付き合うとか経済的にもキツいし..」

秋庭「あっそ。なら遠慮なく」

金沢の言葉を聞いた2人は、里見の両隣を直ぐに確保した。

真壁「顔怖いけど..」

「は?」

熊沢「..その無意識なところがモテるのか」

「何言ってんの」

ｸｽｸｽと笑う2人。

怖いのは2人の微笑みだわ。

熊沢「でもやっぱり里見モテるね～。それに比べてヘタレは..」

真壁「うるさいよ..」

「澪奈が惚れた男なんだからもうちょっと自信もちなよ」

好きな女の子に惚れられてない石倉でさえ、あの自信なんだから。

熊沢「..じゃなきゃ..私が報われないから..」

真壁「やっぱお前俺の事..?」

熊沢「そーゆ所がヘタレなんだよ、もう..」

真壁「え、どういうとこ、？」

「..自分で考えれば?ヘタレ真壁」

真壁の肩をﾎﾟﾝ、と叩くと真壁は「えぇ～」と男らしくない声を出した。

「..あれ..唯月は?」