かわいい彼女は開久の女の子。2 (ページ34)

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「みーつはしさん」

三橋「うお…ってなんだお前かよ」

伊藤「なんかもうAちゃんが軟高にいること慣れちゃったね」

「顔パスですよ顔パス」

三橋「っつてももう下校だけどな」

その言葉ににっこりと笑う。

「喫茶店行きませんか!」

三橋「はぁ!?なんで俺がお前と」

思わずその言葉に唇を尖らせた。

…理子ちゃんとは喫茶店行ったって聞いたのに…

「これです」

不貞腐れながらポケットから一枚のチラシを見せる。

三橋「カップルデー?んだよそれ」

「カップルで行くとパフェが無料なんです。しかもそのパフェ、カップル用でこーんなに大きいらしいですよ!」

三橋「俺はパフェに興味はねぇ。伊藤とでも行ってろ」

伊藤「いやいや。いくらAちゃんでも俺には京ちゃんがいるし…」

一瞬デレっとした表情。

「だから京ちゃん誘って4人で!」

三橋「嫌だね。なんで俺がこいつらと一緒にパフェなんぞを食わなきゃいかんのだ」

「パフェに興味ないんだったら食べなくていいですよ?その場にいるだけでいいんです」

三橋「開久の誰かとでも行けよ。相良は?」

「相良君、そんなに甘いもの好きじゃないんです」

それに今日はヤクザさんから呼ばれてるし…

だから私はこうして下校時間なのに軟高にやってきたのだ。

伊藤「行ってやれよ。別に暇だろ?」

三橋「あのなぁ、カップルデーに2人で入ってったところを見られたらカップルに思われんだぞ?」

「はい…?」

三橋「あーもういい。ん、わかった。しょうがねぇ行ってやるよ」

呆れたようにため息をつく三橋さんはわしゃわしゃと自分の頭を乱暴に掻いた。

「やった!チョコレートとイチゴ選べるんですよ!」

三橋「チョコレートだな。そこは譲らねぇ」

「練乳イチゴですよ!最高の組み合わせですよ!」

三橋「んで甘さに甘さかけんだよ!もうトリプルじゃねぇかよ」

「パフェは甘くてなんぼです」

階段を下りて昇降口に向かうと、急に腕を引っ張られる。

三橋「あれは…今井?」

下駄箱の陰に隠れて覗いてみると、いるのは今井さん。

三橋「あそこは…理子の下駄箱」

理子ちゃんの下駄箱に何かを入れて今井さんは走って行ってしまった。