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智「ん?どこ行くの?」
ガヤガヤとさとにぃが買ってきたものを広げた机に皆が集まるの見た後、玄関に向かった私に不思議そうにさとにぃが問いかける。
「本屋行ってくるね」
靴を履き終え立ち上がると、さとにぃが後ろで「じゃ俺も」なんて言ってきた。
「…さとにぃ、本屋に用なんてないでしょ」
智「あるよー…釣り雑誌とか、絵の特集とか」
「立ち読みですか笑」
智「だってA、本選ぶのなげぇもん笑」
その言葉に笑って返す。
…まぁ確かに私は本を選ぶのが長い。
漫画ならまだ少し早いのだが、小説となるとほんとに長時間見て回っている。
潤君には「まだ?」と何度も質問され、
和君にはまず誘うと断られ、
まささにぃは優しいから何も言わないで待っててくれるけど…それはこっちが申し訳ない。
翔にぃは自分の買い物が済むと「これでよくない?」と本をすすめられ…悪いけどその本は私の好みではないものが多い。
なのでぼけーっと自分の好きなことが載っている雑誌とかをずーっと読んでるさとにぃが一番楽なのだ。
さとにぃと分かれて、私は真剣に本を選ぶ。
「さとにぃー選んだよ」
私がそう呼びかけると、驚いたように隣に立っている私を見た。
智「おぉ、」
「何か買う?」
智「んー?んーん」
「じゃあ買ってくるね」
本をもってレジにむかうと、いつものおじいちゃんが私を見て驚いたように数回瞬きをする。
『もう高校生かー』
「まだ制服に着られてるけどね」
『いやいや、似合ってるよ。
かわいいかわいい』
微笑みながらそんなことを言われてちょっぴり照れてしまう。
「じゃあねおじいちゃん」
『あいよ』
お店を出ると、ｻｧっと風が髪の毛を揺らした。
智「クラスどうだった?」
「和君と一緒だったよ」
智「潤だけ離れちゃったかー」
「本人は一応気にしてない様子を振舞ってたけどね笑」
智「元々カズとA仲良かったからなー」
「だって潤君、翔にぃにべったりだったもん」
私とかが翔にぃと遊んでもらうといつも来てたし。
智「そんでいつも泣きながら俺んとこ来てた」
「…そうでしたっけ」
智「そうだよ笑
大きくなったら俺と結婚するって言って、んでカズが泣きだして」
「…そんなこともありましたね」
恥ずかしい思い出話で他人事のように言うと、さとにぃがﾌﾟっと隣で噴出した。
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作者名：ぽかぽか笑顔
| 作成日時：2018年1月13日 22時
