かわいい幼馴染。 (ページ30)

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双子の誕生日から数日…事件は起きた。

智「だーかーら。言ってるじゃんさっきから。
俺は大学行かないって」

翔「なんでよ」

智「なんでって…別に言っても勉強することもないし、まず俺勉強きらいだし」

翔「智くん、絵の勉強したいんじゃないの?」

智「それは趣味だから。ついでに、絵は別に仕事しながらでもできるし。
その方が多分俺にあってるし」

翔「でも前言ってたじゃん。俺この学校行ってみてぇなって。パンフレットだって珍しく集中して読んでたじゃん」

智「行ってみてぇなってだけじゃん。パンフレットには色んな絵があって面白かっただけだし」

翔「せっかくのチャンスだよ?先生んちからも進められてるんだから…」

智「まず第一。俺が大学行く金無駄じゃん」

翔「だったら俺も行かない」

智「翔君は行った方がいいって」

翔「なんで」

智「だって、翔君は行きたい大学あるだろ」

翔「それだって行ってみたいなっていうだけだし」

智「そんなんじゃないってことは俺が一番分かってる」

翔「だったら…俺だって智君が絵の勉強したいってこと一番理解してるよ」

智「は～…またその話?」

翔「その話って…大事な話だろ!!!なんで智君はいつもそうやって話を逸らすんだよ!」

翔にぃの急な大声にビクりと肩を震わすと、ポンポンと隣でゲームをしていた和君が優しく頭を叩く。

和也「2階にいくか」

和君の優しい声に頷くと、ぐいっと手を引っ張られた。

智「逸らしてねぇよ…」

翔「逸らしてるよ!!!
俺何回も言ったよな?大学行こうって。智君は進学した方がいいって。
なのに、いっつもヘラヘラ笑って…」

智「逸らさねぇとそうやって翔君が意見押し付けてくるからだろ!」

翔「俺がいつ押し付けたんだよ!!」

智「いつもだよ!!!」

翔「それは…智君が何も考えてないからだろ!?」

和也「やばっ」

階段を上ってると、急に和君がボソりと呟く。

そして次の瞬間…物が倒れる音がした。

翔「んにすんだよ!!!」

智「うるさいから、殴って黙らせたんだよ…ってぇな!」

翔「黙らせたんだよ。文句ある?」

体格差では圧倒的に翔にぃの勝ちだが…さとにぃだって元は不良のナンバーワンとか言われたほどの人だ。

和也「あ、ちょ…おい!やめろよ!!!」

すぐに喧嘩が始まって、和君が間に入って必死に止めるけど小さい和君は…止めれそうな気配がない。
　