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「あ、潤くーん!!」
声がした方を振り向くと、大きく手を振ってくるジャージ姿のAがいた。
そんなAの隣でしゃがみこんでるカズ。
潤「A達のクラスも練習?」
「うん。学年対抗リレーの練習。潤君ちは?」
潤「俺たちもリレーの練習だから…合わせるんじゃない?」
和也「えぇぇぇ…めんどくせぇ」
ぽつりとカズがそう呟くと、Aが手に持っていたバトンでカズの頭を叩く。
潤「カズ、何番?」
和也「…27」
出てきた番号につい噴出してしまう。
和也「なによ笑」
潤「いや、俺も同じだから笑」
和也「いやもう、負けますって笑」
潤「それはカズが本気出さないからじゃん笑」
和也「本気出しても貴方には敵いませんよ笑」
「それでも取りあえず本気出しましょうね」
さっきから何度もバトンでカズの頭を叩いているA。
和也「お前それ貸せ!」
「やだよ!貸したら和君、絶対叩く!!」
和也「当たり前だわ!倍返しだわ!」
「あー!ちょ、返して―!」
いくらカズが男子の中で小さいほうだとしても、まぁAよりは高いわけで。
あっという間にカズがバトンを取り、上にあげた。
和也「あれ…Aさん、身長縮みましたか?笑」
「うざ」
ﾁﾗﾁﾗと送られてくる視線が痛い。
愛がこもったような視線と…呆れたような視線。
潤「んじゃ、俺戻るな」
すぐにその視線から逃げたくて言うと、「じゃあね」と2人が手を振ってくれた。
"本気出しても貴方には敵いませんよ"
潤「…そんなの…こっちの台詞だっつうの…」
いつでも俺は本気なのに…カズには勝てない。
それは…Aの事だと余計に。
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作者名：ぽかぽか笑顔
| 作成日時：2018年1月13日 22時
