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「走り出せー走り出せー」
アイスを食べながらAの下手ではない歌を聞く。
「ふぅ…潤君歌わないの?」
潤「何歌おう…」
カラオケなんて久しぶりだ。
「あ、潤君のあれ聞きたい!」
そういったAが勝手に入れた曲。
潤「ずっと輝いているから」
歌い終わりマイクを置くと、隣で携帯をいじっているAがぽつりと呟く。
「ん〜…やっぱり潤君に似てると思う」
潤「それ何回目だよ笑」
「だって似てるんだもん」
潤「俺そんなツンツンしてねぇだろ」
「してるよ?」
潤「してねぇ」
「してるしてる」
潤「してません〜」
「そういうところがツンツンだ」
潤「お前、それはないだろ笑」
ｸｽりと笑うA。
「まぁ…潤君の方が可愛いけどね笑」
その視線は…弟を見るような視線。
潤「…カズよりも?」
「昔はね。今は和君の方が可愛いよ」
"私より女子力たまに発揮するし"なんて悔しそうに言った。
潤「じゃあ…俺とカズどっちがかっこいい?」
「潤君だよ。貴方の顔はもう国宝よ?国宝」
潤「…だったら俺とカズどっちがドキドキすんの?」
…Aは俺を見ようとはしなかった。
「…潤くん、あの映画よかった?」
無理して笑いながらジュースに手を伸ばす。
その手を掴むと、Aの大きな瞳が俺の目を見つめた。
潤「…俺だって男だよ」
ぎゅうっと掴んでいた手に力がはいる。
潤「弟だと思うなよっ…」
呟いたその言葉は…切なく部屋に響く。
「潤くん…」
潤「…俺、夕飯の材料買ってから帰るわ。
先に帰ってて」
Aの目を見ずにそう告げて、すぐさま俺は部屋を出た。
顔を見れるわけない。
…きっと俺はひどい顔をしている。
泣きそうな顔を。
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作者名：ぽかぽか笑顔
| 作成日時：2018年1月13日 22時
