かわいい彼女。

42 ページ40

隆弘「あ、日高帰んの?」


ソロの打ち合わせを終わらして楽屋に戻ろうとすると、急ぎ足で歩く日高が見えた。


日高「へ?あぁ、うん…」


なんだかおかしい様子の日高。



日高「じゃあな…」


隆弘「あ、ちょっと待って」


行こうとする日高の肩を掴み、顔に手を伸ばすと日高は急いで俺から少し距離を置いた。


そして…服の裾でゴシゴシと"口元"を拭う。


日高「な、なんだよ」



隆弘「…いや、まつげ。ついてたから」


日高「あんがと。じゃあな」



今度こそ、と言わんばかりに帰っていく日高。


隆弘「なんだあいつ」



首をかしげて楽屋に戻れば…またもや首をかしげる光景。



「あ、にっしー…」


立っているAが、俺を見て急いで微笑みを作る。


隆弘「…夜更かしは美容にわるいわよ」


「西子、美意識高いね」


隆弘「あ、そういえばさ。さっき日高が…」


その瞬間、自分でも笑顔が消えたのが分かった。



隆弘「…日高がいたけど、どうかした?」



無理矢理笑みを作って聞けば、Aは「ううん」と首を振った。



「どうもしてないよ」

43→←41

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す