愛してるのに、愛せない

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隆弘「……は?」

姉「だから。みなみが受かったの。
アイドルグループのオーディションに」

隆弘「え、ちょま、俺聞いてないけど」

姉「うん。だって言ってないもん。
私とみなみだけの秘密だったから」

そういう姉の声と重なるように聞こえる、小さめの怒鳴り声。

姉「ま、だからみなみが説得中」

隆弘「説得中って…ねぇちゃん手伝ってやれよ」

姉「むり。
部屋から閉め出されちゃって」

隆弘「ん〜…でも、俺んときはそんなに反対してなかったよな?」

姉「あんたは、高校生だったでしょ。
色々ヤンチャしてたし。男だったし」

＝不安がない、ってことかよ笑

母「寮に泊まれるって言ったって…ずっとってわけじゃないんでしょう?」

「だったら、おにぃのとこ泊まる!!!!」

母「なにふざけたこと言ってるの!」

「なんで!」

母「隆弘だってずっと家にいるってわけじゃないでしょ!
海外に行くこともあるんだから」

「っでも…」

母「第一。学校はどうするの」

隆弘「…ちょっと、母さんに変わってもらえる?」

姉「はぁー?
…っち、しょうがないな」

電話口から姉ちゃんが母さんを呼ぶ声が聞こえた。

隆弘「あ、母さん?
みなみのこと。俺からもお願いできない?」

母「はい?」

呆れたような声が電話口から聞こえる。

隆弘「俺も色々やるからさ。お願い」

姉「ほら。隆弘もそう言ってんだし…ね?」

母「はぁ……分かった。
でも、辛くなったからなんてすぐにやめないでよ」

「うん!!やめない!
おにぃ!!!ありがとう!!!」

一件落着…ってとこか?

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