【凪のあすから】変わらない景色。5

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変らないメンバー。

変らない席順。

そしてなんと…変わらなかった先生。

そんな新学期を満喫していると…「そういえば」と不思議そうにさゆちゃんが呟いた。

さゆ「莉菜さんがまた登校し始めたとき…ずっと美海の席見つめてましたよね?
なにかあったんですか?」

『あ、確かに』

『ずっと見てたよね』

思ったよりも大きかったさゆちゃんの声に反応して、数人のクラスメイトが興味津々な視線を向けてくる。

「あ…えっと…」

どう言えばいいんだろ…

『ここの席は確か…紡だったかなぁ』

美海「紡さん…?」

「な…先生!」

ニコニコと笑いながらそう言ったのは…紛れもなく先生だった。

『え?誰々!?』

『星野さんの好きな人!?』

「あーいや、えっと…」

先生「紡や…いや、皆。
この開いた席を悲しそうにずっと見ていたよ」

懐かしそうに思い出しながらそう言う先生は私達を見る。

そうなんだ…

まなか「ふふ…なんだか少し恥ずかしいね」

「…まなかのおかげだからね」

まなか「えっ!?」

要「まなかのあのちらし寿司事件がなかったら、光たちも仲良くなってなかったし」

「私やちさきだって…素直になれてなかった」

まなか「ううん…でもやっぱり…ひぃくんのおかげだよ」

光「え、俺!?」

まなか「だって…ひぃくんがずっと引っ張ってくれてたから。私の事」

「まなか…何ていい子なんだ、まなかよ」

ぎゅーっとまなかを自分の胸にだく。

まなか「えぇ!?」

「思い出してみなさいよ。
ほら、転校初日なんて。まなか、あんた光に激怒されたんだからね?」

光「…お前どんだけ濱中の制服着たかったんだよ」

「波中の制服も可愛いけど、だってあれスカート短いじゃん」

まなか「あ、確かに」

光「誰も見ちゃいねーよ、お前のパンツなんか…あ」

要「はぁ…」

まなか「りっちゃん!!お、抑えて!!」

「そうだよね、うん…すぅ…はぁ……黙れヘタレ」

光「俺はヘタレじゃねぇ!!!」

「あーそうですか!!!ヘタレじゃなかったらねぇ、あんな勢いに余った告白はしませんー!!!
あと、好きな女の子は泣かせませんー!!」

まなか「ちょりっちゃん〜…!」

光「おまっ…!」

「なんだけ、えっと〜…あ。思い出した。
す…「だぁぁぁ!」

光「言うなよ!!!」

「じゃー光くん。言う事あるんじゃない?」

光「…すみませんでした」

「よろしい」

さゆ「恐ろしい…」

美海「お母さんも莉菜さんには頭が上がらないわけだ」

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