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#112 ページ12

トンっと頭に小さい衝撃が走る。

先生「グッモーニン、ミス美海」

美海「グッモーニン、ティーチャー…」

先生「お前…叔父さんと似てるな」

美海「え?」

先生「寝顔。光もよく寝てたから」

美海「あ……」

先生「さて。今日はお楽しみの巴日だ。
以前は海の底からじゃなきゃ見れなかったんだけどねぇ。しかも…今回は太陽じゃなくて月だ。
海が凍った事で、氷がプリズムみたいに温見雪の輝きを集めるんだ。
それが大気中に像を結び、幻の月を作り出す。月の高度が低い…そうだねぇ、8時ごろからが見頃かな」

『先生!その前に!』

先生「え?あ、うん。夕飯だね。
この後は炊き出しの準備!」

先生がそういうと、歓声が起こる。

さゆ「皆で海辺で炊き出しとか…なんか、懐かしいね」

後ろのさゆが懐かしそうに呟いた。

美海「うん…」

『夜の授業とかアガるよな〜!』

『『『な、峰岸!』』』

さゆ「…む」


さゆ「要注意だよ、美海!」

掃除の時間、裏山にゴミを捨てに来た途端さゆが急に叫んだ。

さゆ「知っちゃったんだ、私。
峰岸、巴日のとき…美海に告白する気らしい」

美海「告白…」

さゆ「皆くっだらない。学校は勉強する場だっていうのにさぁ…」

美海「さゆ、前は勉強大っ嫌いだったのに…笑」

さゆ「女1人で生きていくって…決めてるからね、私」

えっへんと、胸を張ったようにしながら言うさゆ。

さゆ「おしおおしじゃ、就職できる場所ないし…ちゃーんと都会でて、自立した女になる!」

美海「そこまで、将来の事考えてるの…?」

さゆ「まぁね。美海は?」

美海「まだ…わかんないけど…ここから出て行くつもりはないなぁ…」

そんなとき、サァっと冷たい風が吹いた。

片方だけおろした髪の毛が、風に揺れる。

さゆ「美海…」

美海「え?」

さゆ「髪…伸びたね」

美海「…うん」

あの日から…ずっと伸ばしてる髪の毛。



「美海ちゃん」



…少しでも…近づけるように…

『さゆー!美海ー!先生、呼んでるー!』

さゆ「あ、ありがとー!美海はやく!」

美海「うん…!」

裏山からの階段を降りるとき、いつも見える…あの木工室。

ここから見てた…。

いつも…こうして……


きゃぁぁ! あかりさん! あかり! 莉菜! 見ろ、橋脚が!! いやぁぁぁぁ!!!!!!


あの時…私は泣かないって決めた。

だって、海の中に…光たちがいるのは分かってる。

無事だってことを信じてる。 光たちは…また、私の入れない場所で…笑ってる…

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ありさ(プロフ) - 紡と結ばれて欲しかったです。・°°・(>_<)・°°・。 (2017年7月19日 22時) (レス) id: e1e653cc6d (このIDを非表示/違反報告)
シャロ - ちさきバ−アジョンでの紡落ちを書いて欲しいです!例えば主人公がちさきの立場になるとか! (2017年2月5日 23時) (レス) id: f5b71c35a5 (このIDを非表示/違反報告)
あい - 紡バージョンも作って欲しいです! (2017年1月24日 21時) (レス) id: 50ab402e3a (このIDを非表示/違反報告)
生ちゃん♪(プロフ) - あいさん» ありがとうございます!!私も凪あすを見て要もいいし、紡もいいし、ってすっごく悩んでます。笑 (2017年1月21日 0時) (レス) id: d0ae113321 (このIDを非表示/違反報告)
あい - 面白いです!私的に紡オチがいいです(´・ω・`) (2017年1月20日 23時) (レス) id: 50ab402e3a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:凪のあすかららら | 作成日時:2017年1月9日 20時

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