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「はぁっ…はぁ…」
日が暮れて行くにつれて私の体力もどんどんなくなっていく。
ふらふらと足がおぼつなくなってきた。
エナがかわいてきてる…。
「ってかここ、どこ…」
がむしゃらに走ったせいか、少し山の方にきてしまったみたい。
塩水もないし…このままじゃ…
?「…あれって」
すぅーっとまた聞き覚えがある声が耳に入って来たとき。
「っ…」
かくっと力がぬけて私は意識を失った。
「んっ…」
息苦しさもなくなって目を開けると、一番最初に写ったのはあの男の子だった。
「えっ…ってまなか…!?」
姿勢を正すと目の前にはまなかが眠っている。
「…私、なんで…」
驚いたように男の子を見ると、「倒れてたから」ただそれだけ言った。
あの時耳に入ってきた声はこの男の子の声だったんだ…。
「あ、あの…ありがとう」
そういうと、ふんわり微笑んですっと手が伸びる。
「っ…」
紡「海村の人は皆こうなのか」
「えっ?」
紡「…きれいだ」
急にそんなことが言われ、体温が急上昇していく。
「な、なにいって…「瞳」
紡「透き通ってて…まるで海みたいだ」
さらっと私の頬を撫でながら、私の目を見てそう言った。
「…え、と…そうだけど…」
___プギュゥ…!
男の子の視線が急にそう声を上げたまなかの膝にいく。
ゆっくりと手を伸ばして、ハンカチをほどく男の子。
ぼーっとその状況を見てると、「ぷっはぁ!」とまなかが目を覚ました。
まなか「…あれ、りっちゃん……。
よかったぁ。なんかあちこちがチカチカみえて……」
私が指さす方をまなかは見ると、数秒間ピクリとも動かず固まる。
まなか「いやぁぁぁ!!!み、みないでぇ…みないでぇっいたぁ!?」
「おちついて、まなか」
優しく頭を撫でると、まなかの顔が悲しそうな顔に変わった。
ふと横を見るといない男の子。
まなか「やっぱり、気持ち悪いんだっ…うっ…涙」
「泣かないの、まなか」
多分男の子はそんなんじゃ嫌わない気がする。
急に足音が聞こえてみると、1口ぐらいのパン片手にこっちに来た男の子。
紡「食うか?」
まなか「育てないでぇぇ!
やめてっ、おねがいぃぃ!」
紡「綺麗だから」
チラっと私を見た後、まなかをじーっと見つめて言う。
…ふーん。
紡「この魚。
見たことないうろこしてる」
まなか「おさ…かな…?」
…なんか、この男の子
「きらい…」
口まで使ってぶくぶくと呟いてみた。
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もも(プロフ) - こんにちは!コナンの方もお気に入りで全部見ちゃいました!凪のあすからも大好きなので良ければ更新して欲しいです!頑張ってください! (2016年5月8日 8時) (レス) id: 00c5c3f7bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凪のあすかららら | 作成日時:2016年4月30日 17時