38 ページ38
コンコンっと窓を叩かれたかと思うと、居るのは光だった。
「光!?今、何時だと…」
光を見てみると制服のまま。
光「要は?」
「家に帰ったけど…」
光「…これ。くう?」
そう言って光が見せたのは…アイスクリーム。
「たべる!」
少し外を歩いて、あの待ち合わせ場所の手すりの部分に座ってアイスを食べる。
…いや、こいつ話したいことあったんじゃないの?
光「…おじょし様のやつ」
小さくボソっとそう呟いた光。
光「ふっ…やっぱ知ってたか」
その時つい、ビクっと肩を揺らした私の様子で察したのか、光は悲しそうに笑った。
光「…俺さ、さっきまなかと…あかりの恋人の家にいたんだ。
…ほら、あのさ。小さい頃よく遊んでもらった…「みをりさん」
「でしょ?美海ちゃんのママの」
光「なんで…」
「うろこ様のところに居る時にあかりさんに聞いたの」
光「あかりから…か。
じゃあみをりさんが…」
「知ってる。…ふふ、余計分かるね。美海ちゃんの気持ちが光は」
光「…あいつ、言ってたんだ。
おじょし様のやつ、自分がやったって」
「え?」
光「…その時、俺あいつのこと責められなくてよ。
わかるんだ。莉菜の言う通りで、その気持ち。
そうしたら…まなかがうろこ様に自分は守られてる。そう言って泣き始めた」
…あれか…。
光「…一緒に謝る。俺が散々文句言われるなら、まなかも言われる。
俺を守りたい。泣きながらそう言ってたんだ」
そう言った光の視線は前を向いていて…それでも…辛そうだった。
光「俺がまなかを守るはずだったのに…反対にエナみたいなまなかに守られて……あいつはあぁやってどんどん成長してって……いつか…紡と一緒に…」
「…光」
そっと光の頬に手を伸ばすと驚いたような表情をする。
…紡が言ってたように…海の人間の目は綺麗。
だけど一段と綺麗になるのは…涙で…濡れてキラキラしているとき。
「光…我慢しないでいいんだよ?
あかりさんにも…まなかにも弱音が吐けなくたって…私が…要がちさきが…いるじゃん。
光はまなかしか見えてないだろうけど…私達がいるじゃん」
光の目は…そんな風にキラキラしていた。
光「何言ってんだよ…笑」
「真面目にいってるの」
光の目を見てはっきり伝えれば…ちょっぴり辛そうに顔を歪める。
光「…ばーか」
「へ?」
光「お前を守る身にもなれよな」
「え、私光に守られてるの!?」
光「…俺をガキ扱いしやがって」
そう言って笑った光。
…いつもの光の笑顔だ。
129人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もも(プロフ) - こんにちは!コナンの方もお気に入りで全部見ちゃいました!凪のあすからも大好きなので良ければ更新して欲しいです!頑張ってください! (2016年5月8日 8時) (レス) id: 00c5c3f7bf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:凪のあすかららら | 作成日時:2016年4月30日 17時