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「はぁ…」

うろこ「なんじゃ、来て早々ため息なんぞついて」

「御霊火貰いに来ました」

うろこ「勝手に貰ってけ」

横になってるうろこ様をまたいで御霊火を貰う。

「はぁ…」

けど、ついつい出てきてしまうため息。

うろこ「…ったく、お前は辛気臭い」

「…お腹減った」

そう言えばお昼食べてないじゃん。

「何かないの?うろこ様ー」

そういうと、サッっと何か隠したうろこ様。

「…なにそれ」

うろこ「なんでもないぞ」

「…うろこ様っ…」

うるうると瞳を濡らして見つめると、うろこ様も「はぁ」と一つため息をついた。




「おいひぃ!!
まなかんちの煮物美味しい!!」

うろこ「じゃからバレんようにしっとたのに…」

「ケチだなーうろこ様は」

パクパクと煮物を貰ってると、ぽんっとうろこ様の大きな手がたまに置かれる。

「なに?」

うろこ「…なんかあったから来たんじゃろ。
莉菜は用が無くて御霊火を貰い来る人じゃないからのぉ」

「貰いに来ますー」

うろこ「っで、今日は来た理由は?」

「……敵わないね、うろこ様には」

うろこ「何年お前の面倒を見とると思ってんじゃ。
お前の母親のせいでお前と理佐のお世話は赤ちゃんの頃からじゃ」

「あはは…お母さんも強いよねー。うろこ様に赤ちゃんの面倒見させるなんて」

うろこ「お前の母親はそんな奴じゃ」

「…ねぇ、うろこ様」

うろこ「なんじゃ」

「今日ね、学校でちらし寿司を作ったの。
…あ、お土産はないからね」

ちょっぴり期待したようなうろこ様にそうバッサリ言い張ると、煮物を取り上げられた。

けちめ。

「…班の人はね、いつもの5人だったの。
だから…別に波中の時と変わらなかった。
けど…ほかの班の人のも試食したりしていいってことになって。
……まなかがね。私達のちらし寿司。めげずにあげようとしてたの。
結果は酷いことになったけど……。
でもね、私達が何もせずにまなか1人で。その時感じたの。まなかが変わってる事。
でもそれは、まなか1人じゃない。私達皆…少しずつだけど変わったの。
だから…だからこそ…悲しかった。
ううん、それだけじゃない。あの呪って事件あったでしょ?」

うろこ「あぁ、あの魚のか…」

「それも。まなか、素直に打ち明けて。
…素直がまなかのいいところで…羨ましくて……どうしても私が敵わないところ」

ぎゅっと膝を抱えながら呟くと、「…だからなんじゃ」なんて。

うろこ「莉菜には莉菜のいいところがあるじゃろ。
何を言っとるんじゃ」

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もも(プロフ) - こんにちは!コナンの方もお気に入りで全部見ちゃいました!凪のあすからも大好きなので良ければ更新して欲しいです!頑張ってください! (2016年5月8日 8時) (レス) id: 00c5c3f7bf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:凪のあすかららら | 作成日時:2016年4月30日 17時

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