【凪のあすから】変わらない景色。 (ページ11)

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「んぅ…まなか、どうしたの？」

まだ眠気もそんなに覚めてないとき。

こんこんと窓を叩かれ外に出ると、困ったような顔をしたまなかが居た。

まなか「りっちゃん…一緒にうろこ様のところ行かない…?」

「うろこ様のところ?」

「呪われたい、って…」

まなかに要件を聞くと、膝にできてたお魚は今朝泳いで消えて行ってしまったようで。

紡が褒めてたお魚だから、どうしてもまた欲しい!!っていう。

恋する乙女だね、まなか。

「っで。
前みたいにおかずをぶつければいいと」

まなか「うんっ…。
でも1人じゃちょっと不安だから、りっちゃんもって…」

いや、確かに私はうろこ様と何かと仲いいけど。

「まぁ、いっか。
丁度お母さんに渡せって言われてたお酒があるし」

まなか「ごめんね…?」

不安そうに上目遣いで私に向かって言うまなか。

「もう。気にしなくていいよ」

何故か私はまなかを甘やかしてしまう。

うろこ「あ、ちょうどいいつまみがきたか」

それはまなかのおかずの事を言っているのか。

それとも…。

「うろこ様。
これ。珍しいんだって。手に入れたからうろこ様にもおすそ分け」

はい、って差し出すと「おぉ！！いつもご苦労のことじゃ」と嬉しそうに言った。

「ほら、まなか…」

後ろを向いてまなかを見ると、ゆっくりとこっちに歩いてきてる。

うろこ「あやつは何をやってるおる」

「まぁまぁ。付き合ってあげて」

ぽすんと隣に座らせてもらい足をプラプラさせながらまなかを見つめてると、おもむろにおかずを投げ始めた。

まなか「えいっ…えいっ！」

そして、まなかが投げる一つのおいもをキャッチしてﾊﾟｸっと口に含む。

うろこ「向井戸のばばあの味じゃない…」

まなか「あ、私が作りました…！
うろこ様に失礼なことして、その上食べ物を粗末にしました！！」

「…っで、うろこ様どうするの?
そんな事したら呪わなきゃ…」

じーっとうろこ様を見ると、急に勢いよく落ちたおいもを食べ始めた。

まなか「あぁぁぁ…！！」