甲斐くんの彼女。2 (ページ46)

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柊「今の話を聞いても、まだ坪井先生を疑うのか?」

水越「知らなかった..!
私の体のことも先生が苦しんでたことも何も知らなかった!!」

柊「なのにお前は..坪井先生に逆恨みして、この動画を撮った」

水越「どうしよ..そんな動画..どうしたらいいの..?」

震えた声で涼音が呟く。

柊「この動画はネットに流れてない。
結城が動画を投稿する前に止めたんだ」

涼音が結城を見ると、結城は遠慮がちに立ち上がる。

結城「ごめん..黙ってるように言われて..」

水越「なんだ..」

安心からか、その場に座り込む涼音。

水越「よかった..」

皆が安堵の息を吐く。

柊「何がよかったんだ」

ただすぐに教室には緊迫な空気が流れた。

先生が涼音を蹴ったから。

柊「おい..何がよかったんだ?
お前がこの動画をネットに流そうとしたことに変わりはない、違うか?」

胸ぐらを掴んで立ち上がらせると、ﾄﾝっと涼音を押した。

..怖がるには十分な程の迫力だった。

水越「でも..ｰｰ柊「でもじゃないんだよ!」

柊「この動画が世間に広まったら、坪井先生がどんな目に遭ったのかよく考えたのか?
なぁ、考えたのかよ!!
お前の!! 不用意な発言で、身に覚えのない汚名を着せられ、本人が!! 家族が!! 友人が!!
傷つけられたかもしれないんだ」

怯える涼音の胸ぐらを掴んで扉に押し付ける先生。

柊「お前は..取り返しのつかないことをやろうとしたんだ、なぁ?
分かってんのか!?」

小宮山「もういいじゃん!!
結果やってなかったんだから許してあげなよ!!」

中尾「そうだよ..涼音だって反省してんだから..」

柊「目を覚ませｪ!!!!
何がしょうがないんだよ、おい。
何を反省してるんだよ!!
お前ら..いい加減目を覚ませよ。変わってくれよ!!

何がいけなかったのか。
上辺だけで物事を見ないで、よく考えるんだよ!!
目の前で起こってるものを、ちゃんと目で受け止めて! 頭に叩き込んで!!
頭に刻むんだよ!!

お前らそれをしないから何回も何回も同じことを繰り返すんじゃないのか?
本質から目を背けちゃ駄目なんだよ!!」