甲斐くんの彼女。2 (ページ44)

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19時50分|

柊「そろそろ時間だなぁ」

眼鏡をかけていない先生が教室に入ってきた。

柊「ほぉ..お前達の本命は坪井先生か?」

坪井先生の写真の上に赤いチョークで◎と書かれている。

涼音の意見が有力候補へと選ばせた。

柊「そういえば水越。
お前が投稿した動画見たよ。ネットで凄い反響だったぞ」

皆が一斉に涼音を見た。

諏訪「動画って何?」

涼音が答えない代わりに、先生が動画を流す。

それはさっき涼音が結城に撮らせたもの。

..先生は流出させることを止めなかったの?

流れる動画を皆は身を乗り出して見ている。

柊「この動画を見たら、皆坪井先生が犯人だと思うだろうなぁ」

真壁「なんでこんなこと..」

水越「別に嘘ついたわけじゃないし..私は自分の意見を言っただけ!!
それの何がいけないの?」

柊「ネットじゃ、坪井先生へのバッシングで溢れてるよ」

水越「いい気味..」

ﾁﾗりと涼音を見た先生はパソコンをいじる。

柊「みなさ～ん!!お久しぶりです～!!」

画面に手を振る先生はきっと、体育館にいる先生たちのパソコンと通話をしているんだろう。

柊「え～まもなく、8時になります。
景山澪奈のフェイク動画をベルムズに依頼したハンターさん!!
名乗り出てください!!」

武智「柊先生、なんの冗談か分かりませんがここにはそんな先生はいません!!」

柊「そうですか～、残念です!!
では、これから教室を爆破します」

リモコンを押そうとすると、教室がどよめく。

そりゃそうだ。そんな簡単に押されちゃ困る。

校長「ちょっと待ってください。
ちゃんと話しましょう」

坪井「柊!馬鹿な真似はやめろ!!
お前こんなことしてただで済むと思ってるのか!?」

柊「坪井先生。貴方の方こそ..ただじゃあ済みそうにありませんよ～」

坪井「..どういう意味だ」

柊「生徒達の予想では、坪井先生が犯人だと思っているようです」

坪井「なんだと..?」

柊「おい水越!!こっちに来い!!
坪井先生が犯人だと思ってるんだろう?自分で説得しろ」

息を一つ吐いて、涼音は変わらない態度でパソコンの前に立った。