甲斐くんの彼女。2 (ページ16)

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甲斐「もうおせぇんだよ..何もかもｯ..今更どうにもならねぇんだよｯ..!!」

先生は泣き叫ぶ隼人の髪の毛を掴む

柊「甘えてんじゃねぇぞ。
お前は景山の人生を狂わせた1人なんだ。
遅いなんて言わせない。
景山のために真実を明かして..明日と戦え!!
抗え!!もがいて掴め!!
..生きてるお前には..それが出来るんだよ..」

"逃げずに戦え"

私にも向けられているようだった。

柊「動画を加工したのは誰だ」

甲斐「..言えねぇｯ..」

石倉「甲斐!!!!」

甲斐「言ったら何されるか分かんねぇんだよｯ..!!」

＿＿もし、フェイク動画の出処がうちだってバレたら..お前の家族が..噂のあの子がどうなるか..

甲斐「俺がバラしたらｯ..俺の家族がｯ..!!」

濡れた瞳が私を見た。

甲斐「Aがｯ..!!」

私..?

柊「俺がなんとかする。
だから俺を信じろ」

ちゃんと隼人の目を見て言う。

甲斐「人殺しを信じろっていうのか..?」

茅野「信じてもいいと思う」

足音を立てて教室に入ったきた茅野。

茅野「先生は..きっと誰も殺してない」

諏訪「どういうこと?」

茅野「昨日下から声がして。
それがずっと気になってたから、隙を見て美術室を見てきたの。
そしたら..準備室からの中から中尾くんの声が聞こえた」

水越「それほんと..?蓮が生きてるの..!?」

久しぶりに..涼音の瞳に光が灯された。

茅野「うん..他のみんなも無事だって。
..堀部さんも」

何度も瞬きをして、視線を色々な所に惑わしてしまう。

そしてもう一度茅野を見つめると、茅野は強く頷いて見せた。

「よかった..」

何度も何度も拭っても..涙がまだ零れてくる。

秋庭「..でも..なんで..?」

茅野「中尾くんが言ってた。

"先生は..私達のためにこんなことをしてるんだ"って。

"だから先生を信じて欲しい"って」

甲斐「だからって..1人の教師がどうこう出来る問題じゃねぇんだよ..相手は、」

柊「ベルムズなんだろ?」

甲斐「なんでそれを..?」

聞き慣れないその名前が出てきた時。

隣の表情が変わった。

魚住「ベルムズって何..?」

須永「不良界を仕切ってる半グレ集団だ」

柊「ベルムズの"K"に..景山の弱みになるような動画を撮るように言われたんだろ?

お前は.."K"の正体を知ってる」