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甲斐「あいつは何のしがらみもなく好きなことやって!!
なのに俺は!!何もかも我慢して..!!
なんで俺だけこんな目に遭わなきゃなんねぇんだよ!!」




初めて



隼人の弱音を聞いた。




「..やっぱりダンスしたかったんじゃん..」



先生の重い1発が隼人に当たる。



柊「いつまでそうやって被害者ぶってるつもりだ。
お前がダンスを辞めなくいけなくなったのは、家族のせいじゃない。
お前が何もしなかったからだ」



甲斐「なんだよそれ..ふざけんなッ!!」


また1発。



もう聞きたくない鈍い音が、体を震わす。



柊「お前が!!
抱いた悩みや!!
苦しみを!!
誰かにぶつけたか!?
仲間に!!
クラスメイトに!!
教師に!!

"どうしてもダンスがやりたい!!"

"誰か助けてくれ"って!!


お前は縋ったか!?」




甲斐「そんなことする訳ねぇだろ!!」



枯れたはずの涙が



また頬を伝った。




甲斐「..誰かに縋って何になる..?
助けてくれるわけでもねぇ。見捨てられるのがオチじゃねぇかよ!!」



石倉「ふざけんじゃねぇよ..
お前のそういう所がムカつくんだよ!
ダンスの時も、俺が先に始めたのにお前にあっという間に追い越されて?
こいつならマジで世界掴めんじゃねぇのかって思ってたら!!
..いきなり辞めるとか言い出して。
それがこんな理由かよ。
なぁ、おい...カッコつけてんじゃねぇよ..なんで黙ってたんだよ!!」



石倉のその叫びは..いつかの私と一緒。



甲斐「言ったってしょうがねぇだろッ..」


石倉「決めつけんな!!
金を工面できなくても!!弟達の面倒くらい俺達だって見れる!!
俺達だって!!..なにか力になれたはずだろ..?」



..私1人じゃ、所詮隼人が働いてる間のお世話しか出来なかった。



石倉「それをお前は..!!
勝手な考えで見限ったッ..!
俺達仲間じゃん..ダチじゃなかったのかよ..?」




でも..もう1人、誰かがいたら..



きっと、隼人がダンスをする時間を作り出せた。



柊「必死に縋っても駄目な時はある。
どうにもならないことだって..山ほどある。
でもお前には..少なくともそのチャンスがあったんじゃないのか?」



ゆっくりと、先生は私に視線を向けた。




柊「諏園が..お前の事を見捨てなかったように」





でも先生。


私は何も力になれてなかったよ。



結局..隼人をここまで追い込んでたよ。



そう伝えるように首を横に振ると、先生は優しい笑みを見せた。



柊「その弱音を受け止めてくれる奴が..すぐ傍に居たんじゃないのか」

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ikumina4(プロフ) - mori48360616さん» ああありがとうございます!! (2019年4月4日 0時) (レス) id: 9fb0864149 (このIDを非表示/違反報告)
mori48360616(プロフ) - 石川くんじゃなくて石倉くんですよ!いつも読ませて頂いてます! (2019年4月3日 2時) (レス) id: 907c0ca260 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 移行おめでとタメでごめんね (2019年3月19日 20時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぽかぽか笑顔 | 作成日時:2019年3月17日 23時

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