57.家族 ページ9
ユイ｢乃木さん！Aちゃん！｣
門前に行くと、2人が心配そうな顔で出迎えてくれた。
そうだ、私…2人に酷いこと言っちゃったんだ。話も聞かずに一方的に突き放して…
ロッティ｢…A｣
ロッティに名前を呼ばれ、ハッとする。
恐る恐る顔を上げると、ロッティは悲しそうで、でもどこかホッとしたような顔をしていた。
A｢ロッティ…｣
ロッティ｢…バカ。本当にバカ。｣
うん、私もそう思うよ。
ロッティ｢…俺は乃木みたいに神力がある訳じゃない…けど、俺たちは"家族"だろう？｣
優しい声でそう言われ、目頭が一気に熱くなった。
A｢うん、うん…ごめん、ごめんね…！
みんな、ただいま…っ！｣
私は泣きながらも笑顔を作った。
乃木に出会ってから、私の人生は大きく変わった。
竜くんにも出会えて、ユイちゃんやロッティ、サークルのみんなとも友達になれて…今の私には、かけがえのない人達がこんなにもいる。
そして、今回の件で竜くんはもちろん、ユイちゃん、ロッティとの絆がもっと深まった気がする。
そして、関係性が1番大きく変わった……
A｢いや、待てよ？？｣
自分のベッドの上でふと思ったことがある。
あ、ちなみにここまでの大まかな流れを伝えておこう。
あの後乃木の怪我を見るべくユイちゃんの家にお邪魔して、手当をしてから自宅へと帰ってきました。
ユイちゃんのお父さんからは後日塗り薬を渡したいから学校帰りにでも寄って欲しいと言われている。
まぁ大体こんな感じということで、話を戻すとしよう。
私と乃木って今付き合ってるの？？？？？
確かに婚約…した…？けど…付き合って…え？
でも、私…
乃木に好きって言われてない！！！！
ーーー
ﾋﾟﾋﾟﾋﾟｯ…ﾋﾟﾋﾟﾋﾟｯ…
いつもの聞きなれた目覚ましの音が鳴っている。
私は筋肉痛で痛む腕を伸ばして音を止めた。
A｢…むり、ねむたい。
はー、でも行かなきゃ…｣
重たい体を起こして、私は着替えるためにクローゼット前へと移動した。
制服に着替えてからリビングへ向かうと、机には紅茶とフレンチトーストが置かれていた。
ああ見えて乃木の淹れる紅茶凄く美味しいんだよなぁ。
椅子に座って黙々と食べていると、後ろから微かに足音が聞こえてきた。
乃木｢おはよー♡｣
A｢おはよ、機嫌いいね｣
乃木｢ん〜？まあねー♡｣
…付き合ってる、のか…？？
まぁでも、いつも通り接したらいいよね。
ーーー
祝・スランプ脱！
ーーー
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作者名：霊来 | 作成日時：2023年8月2日 13時
