51.無言は肯定？ ページ3
3年生の教室の階から、物凄い怨念が漂っている。
竜くんだろうなぁ。
私は色々なことを想いながら廊下を歩き、曲がり角を曲がった。
A｢乃木…！｣
すると、私の目にはボロボロになった乃木の姿が映った。
肩から血を流し、立っているのも辛そうだった。
乃木｢A！！｣
竜｢…ふ、ふふふ…あはっははは！
おかえり、A♥｣
竜くんは目を細めてそう言った。
乃木は、私を助け出そうとしてこんな怪我したの…？
やっぱり、私のせいだ。私のせいなんだ。
ごめん、ごめんね、ごめんなさい。
乃木｢……A…？どーし…｣
A｢帰って｣
乃木｢……は？｣
A｢帰って。もう、いいから。｣
あぁ、ダメだ。乃木の顔が見れない。
乃木｢もういいって…どーゆーことだよ。｣
A｢ユイちゃんもロッティも帰ったから…乃木も、帰ろ…？ここでの事も、私のことも、全部忘れてよ…｣
乃木｢っ！！
おい、Aに何したんだよ｣
竜｢すぐ僕を疑うの、やめて欲しいなぁ
Aの本心だよ？ちゃんと聞きなよ｣
本心…本心…本心。
そう、本心。
乃木｢…マジで言ってんの？帰れとか、忘れろとか…｣
A｢忘れてよ…過去のことも、今のことも…全部、全部全部全部…！！｣
乃木｢…Aは俺の事忘れてもいーのかよ｣
そう言われ、私は思わず顔を上げた。
目の前にいる乃木は、酷く悲しい顔をしている。
それも、"罪悪感"なの…？
竜｢はー、しつこ…
A、聞いたでしょ？君から突き放してあげないとそいつは一生離れられない｣
私から、突き放す？
私が、乃木を…拒む…
竜｢罪悪感｣
A｢！！｣
罪悪感…罪悪感罪悪感…乃木、罪悪感…私のせい…
A｢あは……そうじゃん…｣
期待しても、ダメなんだよ。
結局、あれは乃木の本心。
もし違かったとしても、きっと本当はそう思ってるんだなって思っちゃうよ。
乃木｢はあ…？何意味わかんねーこと言って…｣
A｢分かるよ｣
乃木｢…｣
A｢乃木、ごめんね。本当は私のこと嫌いでしょ？｣
乃木｢…なんでそう思った？｣
そっか、否定はしないんだね。
A｢…全部、聞いたよ。私から離れたいのに、私が助けちゃったから…それで罪悪感が生まれて…無理に私と一緒に居てくれたんでしょ？｣
確認するように乃木に問うが、乃木は口を開かなかった。
その度、私の心は深く黒い海に沈んだ気がした。
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作者名：霊来 | 作成日時：2023年8月2日 13時
