60.聞きたいこと ページ17
乃木｢で、なんでお前がいるわけ？？｣
竜｢すぐ喧嘩ふっかけんのやめろよ
僕は白旗出したんだしみっともないよ？｣
乃木｢…こーゆーとこが…｣
A｢まあまあ、2人とも仲良くね｣
流石にここまで来ると2人の扱いにも慣れてきた。
お互い手を出すことはしないだろうし、私が間に入ってやれば大体は収まったりする。
気力は結構使うんだけどね…。
｢わ、またあの3人だ｣
｢見るのやめときなよ、また鬼灯になんか言われるよ？｣
｢赤髪の人かっこいいのに〜｣
｢うわ〜Aと場所変わりたいけど鬼灯竜はちょっと無理w｣
……なに。影からチラチラ見て私だけじゃなくて私の親友のことも馬鹿にして。
何か言いたいなら直接こっちから聞いてやる…！
A｢あのさっ…｣
言葉を続けようとして、竜くんに手で口を塞がれた。
竜｢ね、2人で先帰っててよ｣
竜くんはその場に鞄を置いて、私たちより数歩前に進んだ。
A｢でも…｣
乃木｢…変なことすんなよ｣
竜｢もう、僕はAの親友だよ？
前みたいなことはしないよ｣
今の竜くんなら、信じれる。
任せられる。
A｢……一応、危ないことはしないでね。
竜くん、また明日！｣
竜｢うん、また明日ね！｣
竜くんは振り返らずに、手だけを振った。
ーーー
A｢竜くん大丈夫かなー…｣
私は椅子に座って足をぶらぶらさせながらそう呟いた。
乃木｢あいつなら大丈夫だって｣
前に座っている乃木にそう言われ、それもそうか…とため息を吐いた。
また明日って言ったけど明日土曜日なんだよなー…やっちゃったなー…。
そんなことを頭の中で考えていると、乃木から｢ねえねえ｣と声をかけられる。
何も言わずに目で訴えかけると、乃木は1枚の紙を見せてきた。
A｢…あ、それ｣
乃木｢そー、誕生日にロッティから貰ったペアお食事券｣
パッと見て覚えがあると思ったら…
A｢…え、それがどしたの？｣
乃木｢わかんない？
デートのお誘いなんだけど｣
ピタッと全ての音が止まった気がした。
思考回路も停止している。
・・・え？
乃木｢嫌なら嫌でいーけど｣
A｢嫌じゃない！行きたい！！｣
自分でもびっくりするくらいの声量が出て、ぶわっと顔が熱くなる。
それを見た乃木はくくくっと笑っていた。
乃木｢じゃ決定ね〜♡
日時とかはどーする？｣
A｢いや、ちょ…待って｣
朝から聞きたいこと、今なら聞ける気がする。
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作者名：霊来 | 作成日時：2023年8月2日 13時
