番外編.8/18(5) ページ15
A｢えっと…これ｣
私が渋々プレゼントを差し出すと、乃木は興味津々な顔でそれを受け取った。
シンプルな袋から出てきたのは、乃木がよく着ている服に描かれているウサギのハンカチだ。
一緒に居てまだ短期間しか経ってない私にはこれくらいしか用意出来なかったのだ。
A｢ここのブランドのものよく着てるから…好きなのかなって思って、ハンカチだと普段使いも出来るし、！｣
私がそう説明するが、乃木はハンカチに目線を落としたままだった。
ロッティ｢…乃木？｣
A｢も、もしかして嫌だった…？｣
恐る恐るそう聞く。心がざわざわして落ち着かない。
乃木｢…んや、逆｣
逆…？
乃木｢すっげー嬉しいよ｣
はにかんで笑う乃木に、心のざわざわが吹き飛んだ。
逆に心臓の動悸が早まってそれはそれでしんどいです…。
A｢よ、良かった！｣
私は目を逸らしてそう言った。
顔が熱い〜…。
ユイ｢じゃあプレゼント渡しも終わったことだし…｣
乃木｢あー待って待って｣
ユイちゃんの言葉を乃木が遮った。
私たち3人が首を傾げると、乃木だけがニヤニヤとしながらどこから持ち出したのか分からないゲームカセットを見せびらかしてきた。
乃木｢俺のたんじょーびなんだし、付き合ってくれるよね？♡｣
ロッティ｢まあ、ゲームくらいなら…｣
ユイ｢いいよ！やろ！｣
2人とも最初は乗り気だった。
けど部屋を暗くしてからゲームを起動した数分後…
ロッティ｢乃木のバカ！！！ホラーゲームなんて聞いてないが？！！｣
ユイ｢なんでよりによって人形系なの！！！？｣
乃木｢えーだってそっちのが面白いじゃん♡｣
2人は乃木の背中に隠れながら画面をチラ見していた。
そっか、2人は見えるからホラーゲーム嫌いなんだなぁ。
ユイちゃんは人形嫌いだしそんな気してたけど…ロッティも嫌いなのは結構意外かも。
乃木｢でさー、Aは怖くねーの？｣
リモコンを握って操作している乃木にそう聞かれる。
A｢そうだね〜…常日頃本物見てるからね｣
乃木は確かにと小さく笑った。
その後はみんなで寝落ちするまでホラーゲームを楽しみました。
ーーー
ユイ｢乃木さん！！！せめて寝るならテレビ消してから寝てよ！！！｣
乃木｢ごめんね〜許してユイちゃん♡｣
ユイ｢っ…！｣
ロッティ｢ほんっとバカ…｣
乃木が人形のジャンプスケア画面で寝落ちたせいで朝はユイちゃんの叫び声で起きました。
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作者名：霊来 | 作成日時：2023年8月2日 13時
