番外編.8/18(4) ページ14
乃木｢よーし、ご飯も食べ終わったところで…アレ、やりますか｣
乃木の目がキラリと光った。
ロッティ｢はいはい、ちゃんと用意したからな｣
ユイ｢乃木さんが欲しそうなの選んで来たよ！｣
A｢う〜…自信ない…｣
私たちは自分で買ったプレゼントを持って乃木の前に座った。
2人と話してる時にプレゼントは自分で決めて渡そうってことになったから2人が何をプレゼントするのかは分からない。
だからこそ被ったらどうしようとか、私だけ質素だったらどうしようとか考えてしまう。
迷いに迷いまくった結果すっごい無難なのになっちゃったし…
乃木｢じゃーまずはロッティ！｣
ご機嫌な様子で乃木がロッティを名指しした。
ロッティがはい、と横長の紙を渡しているのが見えたが、何が書いてあったかは見えなかった。
乃木｢…ペアお食事券？｣
ペアお食事券かー…ペア…
え、ペア？？
ロッティ｢俺が誕生日の時に貰ったからな。
お前も一緒に行きたい人がいると思って｣
え？え？
乃木｢……ご丁寧に無期限付きだし…
ま、上手くいったら誘ってみるわ｣
ロッティ｢ああ、そうしてくれ｣
相手がロッティじゃないとしたら、ユイちゃん…？
でも上手くいったらって……
ん、んん〜…？
乃木｢じゃ、次ユイちゃん！｣
ユイ｢はい、どうぞ！｣
ま、まぁ私が首突っ込む事じゃないよね…
私は気分を変えるためにユイちゃんのプレゼントに目を向けた。
綺麗な袋から取り出されたのは、この前ショッピングモールに行った時に見た香水店の物だった。
乃木｢ユイちゃんが香水ね〜｣
ユイ｢今失礼なこと考えてるだろ！
もう、ちょっと耳貸して｣
乃木は不思議そうな顔のまま顔を傾けた。
数秒経つと、乃木は呆れたように笑っていた。
乃木｢お前らほんとに…｣
ユイ｢ふふん、でも嬉しいでしょ？｣
乃木｢…ん。ありがとね
じゃー、最後！A！｣
期待の眼差しを向けられ、私は思わず逸らしてしまいそうになる。
だって、2人みたいにいいものじゃないし…
乃木｢A、もしかして…｣
A｢あるよ？！あるけど…｣
私が口をもごもごとさせていると、何かを察したのか乃木は｢しょーがねーなぁ｣と言って私の頭に手を置いた。
A｢え…？｣
乃木｢俺、Aから貰うもんだったらなんでも嬉しいんだけど？｣
歯を見せて笑う乃木に、胸がぎゅっとなる。
ほんとに優しいなぁ…
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作者名：霊来 | 作成日時：2023年8月2日 13時
