ひと口どーぞ月島君！3 (ページ10)

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「「サッ来ォオい！！」」

タイムアウト明け。
田中さんも皆も気合十分みたいで、ちょっと安心した。

何とか返した徹のサーブ。
マッキーのスパイクをノヤっさんが上げて、飛雄のセットアップ。
ここは迷う余地なく、田中さん！

エンドライン際、真っ直ぐ叩きつけられたストレートに、会場がザワめく。
これで流れも切った！

コートの中は盛り上がってる。

でも……飛雄やっぱり焦ってない？

勇ちゃんのスパイクが、またブロッカーの上を抜ける。

「打点が、高くなってる……。」

徹のセットアップはスパイカーの最大限を引き出す。
ってことは、あれが勇ちゃんの最高打点なんだと思う。

「なぁ……なんか烏野の攻撃、だんだん速くなってきてないか？」

滝ノ上さんの言う通り、点差が開くにつれて攻撃のスピードが増してる。
それに対して青城はのびのびとして余裕がある。

長くなったレシーブが白帯まで飛んで、セッター同士の押し合い。
徹のテクニックが、1枚上手だった。

ボールと共に床に叩きつけられた飛雄。

少しの焦りが重なって、徐々に大きなズレになる。
ピリピリとした飛雄の雰囲気。
でも、タイムアウトはもう使えない。

「コンビミスッ……！」

蛍の顔の横を抜けたトス。
何とか旭さんがカバーしたけど、青城のチャンスボール。

うちとは対照的に余裕のある攻撃で、青城が20点に乗った。

主審の笛が鳴って、ベンチを見ると、9番の札を持った菅さんが立ってた。

「飛雄……。」

今の飛雄は、1人じゃないから。
戦ってるのは飛雄と徹じゃなくて、烏野と青城だから。

日向が何か叫んでるのも、ここからじゃわかんなかったけど、ベンチに下がった飛雄の顔は中学の試合の時とは違った。