ひと口どーぞ月島君！3 (ページ4)

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糖度102％ページ4

セットカウント 1 - 0
現在23 - 21

あと1点で烏野のマッチポイント。
だけど、ここで眉なしさんが前衛のターン。
変人速攻へのビックリタイムも終わってしまった。

「大丈夫……！」

普通の速攻も、コースの打ち分けも、必死に練習したんだ。
今の私にできるのは、信じて応援することだけ。

ブロックに捕まったボールは、なんとかネットの隙間に落ち込んで、相手コートに落ちる。

「吸い込みか……。」

危なかった。
日向は後衛に下がっちゃうけど、これでマッチポイント。

「あ、ブロック強いターン……！」

サラサラさんと眉なしさんの2年生コンビが前衛。
向こうの指揮は下がってない。

今日1番の緊張の中、日向のサーブはホームラン。
これで24 - 22
デュースになりかねない状況。

「小っちゃい子居ない状況でデュースはまずいんじゃ……。」

背後で女バレの子が呟いたのが聞こえる。
3年の先輩達は黙ったままコートを見つめていて。

____旭さんがいるから大丈夫。

きっと私と同じことを考えてるんだと思う。

旭さんのスパイクが3枚ブロックに捕まって、弾かれたボールはコートの後ろへ。
大地さん達が振り向いた視線の先にはすでにノヤっさんがいて、ボールは上に上がる。

「上がったァアア！」

再びレフトへ託されたボール。
ほぼ真後ろからで打ちにくい上に、ボールは少しネットに近い。
旭さんと眉なしさんの押し合いだ。

結果は眉なしさんの勝ち。
無情にも床に向かって落下していくボール。

間に合わない、って皆が思ったその時。

「っ足……！」

咄嗟に伸ばされたノヤっさんの足が、エースの命を繋ぐ。
あれはもう頭で考えてない、反射。

飛び出したスーパーレシーブに、今日最高に会場が沸く。
私は感動しすぎて声も出ない。

スパイカーはすぐさま攻撃態勢へ。
何回でもジャンプを、気持ちを切らせばボールが落ちる。
何回でも、決まるまで！

ネットから少し離した、高めのトス。
多彩な攻撃を選べる飛雄が選んだ、シンプルでベストな攻撃。

旭さんのスパイクとブロックがぶつかって、横へ飛んだボールは白帯の上を転がる。
伊達工側に傾いたボールの落下地点に、選手が飛び込んでくる。

そして、

「「っしゃあああ！」」

烏達の咆哮が響く。

セットカウント 2 - 0
勝者 : 烏野高校