ひと口どーぞ月島君！3 (ページ15)

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放課後の部活、少し遅れて来た3年生は、春高に行くと約束した。

士気を高めるには十分すぎる。

烏養さんもやってきて、今後のミーティングが始まる。
既に下を向いている時間はない。
次は春高だ。

「青城は強かった、俺達はそれに劣った。それは現時点の結果で事実だ。で、今日の決勝、優勝は白鳥沢。準優勝は青城だ。」

全員の顔が強張る。

徹達から連絡が来ない時点で、負けたんだろうなとは予想がついていた。

県内でも青城より上がいる。
次までに、私たちはもっと、もっともっと強くならなきゃいけない。

「じゃあ、とりあえずここは主将に1発気合入れてもらおうか。」

烏養さんの言葉に、大地さんが立ち上がる。

「昔烏野が一度だけ行った舞台だ。もう一度、あそこへ行く。東京オレンジコートだ。」

「「うおっしゃああ！！」」

興奮が最高潮に達した田中さん達は、体育館を駆け回る。
日向は珍しく考え込んでいるようだった。

その時、例のごとく武ちゃんが飛び込んでくる。

「武ちゃん！？」

思いっきり転んだ武ちゃんは鼻血が出ている。

気付いてないみたいだけど、大丈夫なの！？

「行きますよね！？東京！！」

「東京ってもしかして、音駒ですか！？」

この上なく嬉しそうな日向。
武ちゃんの興奮の理由は、武ちゃん以上に皆を興奮させた。

「今回、猫又監督の計らいで梟谷学園グループの練習試合に参加させて貰えることになりました！」

関東の強豪が集まる合宿。
たぶん、武ちゃんがかなり必死に頼み込んでくれたんだと思う。

プリンさんのセットアップに、レベルの高いレシーブ、日向とワンちゃん、田中さんとモヒカンさんの戦い。
それから、黒尾さんのブロック。

皆の顔はキラキラと輝いて、ギラギラと燃えていた。

「まだお誘いを頂いている段階でして、細かい事は後でお話ししますね。とりあえず皆の意思は……？」

「「行きます！！」」

迷う余地なんてない、元気な声が体育館に響き渡った。