ひと口どーぞ月島君！3 (ページ13)

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糖度111％ページ13

最終セット、とにかく長いラリー。
負けてたまるか！って思いは、どっちも同じ。

気付けば息が止まっているような、そんな緊張感の中、青城はついにマッチポイント。

「あと1点！」

どっちの応援にも、さらに熱が入る。

この1点がとてつもなく高い壁。

こんな時に、徹のサーブ。
前のターンでミスった面影はどこにもなくて、ビリビリとした空気。

スパイクのような強さ、スピードのボールは、大地さんの体制を崩す。

確実なレフトより、ライトを選んだ徹。
軽々と飛んだ国見ちゃんのボールを、飛雄が何とか腕で弾く。

試合終盤なのに、国見ちゃんはすぐ体制を整えて跳んだ。
彼らしいフェイントを決めて、チームメイトと笑い合っている。

中学時代とは違うプレー。

「飛雄……。」

きっと飛雄は、徹が国見ちゃんをうまく使えているのを見て差を感じてしまった。
国見ちゃんの背中を茫然と見つめている飛雄。

ダメだよ。揺らがないで…！

飛雄はもう、独りじゃないんだから。

コートの中と外、チームメイトからの声掛けに、飛雄はちゃんと前を向いた。

チームとして、強くなったんだから。

だけど、その瞬間は静かにやってきた。

ドンピシャだったはずの変人速攻は、ドンピシャだったからこそ、止められた。

無情にも目の前で床に落ちたボール。

日向と飛雄は、床に崩れ込んだまま立ち上がる事ができなかった。

試合終了の笛が鳴る。

セットカウント 2 - 1
勝者：青葉城西高校

私たちのIHは、2日目で幕を閉じた。