ひと口どーぞ月島君！3 (ページ1)

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糖度99％ページ1

菅さんにさんざん体調を心配された蛍は、皆のところに戻って体温を測らされた。
幸い平熱で、食欲もあるみたい。
軽食に苺味のゼリー飲料を飲んでる。

……美味しいのかな？

気になっちゃうけど、そんなことよりも。

「蛍、さっき徹に手はたかれたでしょ？」

見せて、と手を差し出しても大丈夫だからと拒否される。
でもこれから試合だし、徹は馬鹿力だから心配。

「一応冷やしとこ？」

無理矢理氷のうを当てると、大人しくされるがまま。
ちょうどぶつかった所なのか、手の甲が少し赤い。

赤い……。

さっきの蛍の赤い顔を思い出す。
普段なかなか表情を崩さない蛍が、あんな顔するなんて。

体調に問題がないってことは、やっぱり顔が赤かった原因は他にあるということなわけで。

そりゃあ、人前で誰かの好きなところを言うなんて、素直じゃない蛍にとっては、恥以外の何でもないと思う。
徹のせいで、見てる人もかなりいたし。

じゃあ私は？
あの言葉が本気じゃないってことくらいわかってる。
本当に付き合ってるわけじゃないし、蛍が私のこと好きだなんて思い上がってない。

嘘だってわかってるのに……嬉しかった。
心臓がバックバクで、身体が熱くて。

「何固まってんの？」

蛍が私の顔を覗き込んでくる。
しゃがんでいるから、いつもよりも顔の距離が近くて。
また顔が赤くなるのを感じる。

本当にどうしちゃったの私……！