伍拾陸 ページ8
「ちょっとよろしいですか？」
朝練終わりの女子更衣室。
出て行こうとするかおりさんと雪絵さんを引き止めた。
「どうかした？」
「あの、実は私……転校するんです。」
突然の私の告白に絶句している二人。
「何で！？」
「い、いつ？」
「来週いっぱいで。」
「急すぎるよ！」
雪絵さんのこんなに大きな声は初めて聞いた。
「すみません。大会前になるのもご迷惑なので、部活は今週で終わりにしようと思います。」
「そんなぁ〜。」
「一週間もないじゃん！」
六月にはIH予選がある。
極力邪魔にならないようにしたい。
杏寿郎様が戻るのと同時にキメツ学園に行くつもりだ。
二人の目に涙が溜まっていく。
「後任は私が見つけるので、安心してください。」
「そんなのいい！」
「迷惑なんかじゃないから、ギリギリまで一緒にいてよ〜！」
自分の事をそんなに大切に思ってくれていたのかと、申し訳ないが嬉しくなった。
「ありがとうございます。」
涙を流す二人に抱きしめられる。
この人達を危険に晒したくないから、辛くても仕方が無い。
「皆さんには、今日の放課後に話します。もう、泣かないでくださいよ。」
二人の涙を拭き、更衣室を出る。
途中で別れ、職員室へと向かった。
「焔、こっちだ。」
昨日の時点で学校側には連絡をした。
転校先も決まっているし、手続きは早めに済むらしい。
お館様が手を回してくださる。
「これが書類な。急でいいのか？部活とかもあんだろ。」
「ありがとうございます。大丈夫ですよ、ちゃんと整理してから行きます。」
「まぁ、焔だしな。元気でやれよ。」
「はい。」
職員室を後にしようとすると、杏寿郎様に呼び止められた。
学校に来てから転校の件を聞いたのだろう。
遠慮なく話す為か、面談室へ連れられ、向かい合って座る。
「キメツ学園に来る必要はない。」
想像していた通り、前にも一度言われた言葉だった。
「私の意思です。」
「しかし行きたい訳ではないのだろう？」
「行きたくない訳でもないです。鬼殺隊の皆様も居ますし、稽古もできる。」
私の言葉に、杏寿郎様がしばし黙り込む。
全て本心だ。
杏寿郎様の思いも分かっている。
「私のせいでバレー部の方々を危険に晒したくありません。」
「君はそれで良いのか？」
「はい。」
私の決意の固さを見て、杏寿郎様はそれ以上何も言わなかった。
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noel(プロフ) - みおさん» ありがとうございます！ゆっくりのペースですが完結まで頑張ります！ (2022年3月21日 19時) (
レス) id: 546d15b4fb (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - ずっと更新待ってます！！！！！！ (2022年2月28日 23時) (レス) @page22 id: 861da81337 (このIDを非表示/違反報告)
noel(プロフ) - ゆきなさん» 不定期作品に付き合っていただいてありがとうございます！これからもよろしくお願いします^_^ (2020年7月19日 18時) (レス) id: fd0be5fd69 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - これからも無理せずに頑張ってください！楽しみにしてます！ (2020年7月19日 16時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
noel(プロフ) - 苑歌さん» ありがとうございます^_^ 今後も頑張ります！！ (2020年7月19日 15時) (レス) id: fd0be5fd69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：noel | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/noel_2/
作成日時：2020年7月19日 12時
