伍拾肆 ページ6
昼休み、いつもの通りAのクラスへ足を運ぶ。
「A？」
いつも座っているはずの机に姿がないどころか、鞄すら見当たらない。
「焔なら今日休みらしいぞ。」
「休み？」
「理由は知らねぇけど。」
「わかった、ありがとう。」
近くにいた奴が教えてくれた。
合宿の後だから朝練もなかったし、休みだなんて知らなかった。
そういえば昨日、用事があるとは言っていた。
体調不良とかではないなら、大丈夫だろう。
弁当を持ったまま一人で歩いていると、前方に木兎さん。
……嫌な予感。
「赤葦ィ！一人？一人？一緒に飯食おうぜー！」
俺の意思なんて関係なく購買まで引きずられる。
好奇と哀れみの視線が突き刺さるのを感じた。
「おばちゃん、焼きそばパン一つ！」
人混みの中でも木兎さんの声はよく通る。
こんなにうるさい人他にいるのか？
「さつまいもパンをたくさんくれ！！」
いた。
「うぉ、兄貴！」
「よもや！奇遇だな木兎少年！」
校内だから奇遇も何もないと思うが。
「兄貴も一緒に飯食おうぜ！！」
「良いとも！」
俺の鼓膜はもつだろうか。
もの静かなAが恋しい……。
諦めて抵抗もせずについて行くと、部室棟の屋上に出た。
そこには見慣れたバレー部の面々。
こんな所で食べてたのか。
どうりで時々木兎さんの笑い声がすると……。
防衛本能から、木兎さんと煉獄先生の隣を避けて座ると、逆に向かい合わせになってしまった。
「兄貴も購買だったんだな！初めて会ったけど！」
「いや！普段は弁当だ！」
「兄貴料理できるのかぁ。」
「できなくは無いが、作ってもらっている！」
「え！奥さん！？」
「バカ木兎、彼女だろ。」
少し気恥ずかしそうに笑っている煉獄先生が珍しくて、皆少し黙った。
「彼女ではない。ただ、大切な人なだけで……。」
なぜか俺を見た後、少し寂しそうな表情をする。
「彼女が幸せなら俺はそれで良いのだ！」
「兄貴、なんかカッコいいな！」
「カッコいい……？」
自覚がないのか、首を傾げる煉獄先生に、男どもの信仰心がぐんと上がったのを感じた。
大正こそこそ噂話
木兎さんが想像で描いた兄貴の想い人は、赤葦君がドン引きするくらいムキムキの女の人だったらしい
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noel(プロフ) - みおさん» ありがとうございます！ゆっくりのペースですが完結まで頑張ります！ (2022年3月21日 19時) (
レス) id: 546d15b4fb (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - ずっと更新待ってます！！！！！！ (2022年2月28日 23時) (レス) @page22 id: 861da81337 (このIDを非表示/違反報告)
noel(プロフ) - ゆきなさん» 不定期作品に付き合っていただいてありがとうございます！これからもよろしくお願いします^_^ (2020年7月19日 18時) (レス) id: fd0be5fd69 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - これからも無理せずに頑張ってください！楽しみにしてます！ (2020年7月19日 16時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
noel(プロフ) - 苑歌さん» ありがとうございます^_^ 今後も頑張ります！！ (2020年7月19日 15時) (レス) id: fd0be5fd69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：noel | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/noel_2/
作成日時：2020年7月19日 12時
