漆拾肆 ページ27
「常に気を遣って、何かに怯えてる。見てると可哀想になるくらい。そう思いませんか？」
「それ、お前には関係ないよな？」
関係性が前と変わってしまったことは仕方がない。
Aが俺に何かを隠していて、距離を取っていることにも気付いていた。
けど、それを舞木に言われる筋合いはない。
理由があると、俺は信じてる。
「赤葦先輩がそうやってプレッシャーをかけてるんじゃないですか？」
「俺が？」
「無条件に信じられるのってキツイですよ。」
「お前に何がわかんの？」
自分でも感情の薄さは自覚していたからこそ、こんなに腹が立ったのは初めてだ。
「僕とA先輩って似てると思うんです。二人にしか分からない物がある。二人なら通じ合える。」
「言ってる意味がわからない。お前とAは全く違うから。」
「ほら、先輩はA先輩の事分かってないなぁ。僕らみたいに孤独な人間は互いに惹かれ合うんだから、先輩みたいな人が入ってこないでくださいよ。」
はっきりわかった。
こいつは異常だ。
そして俺はこいつが嫌いだ。
Aはこんなに無神経なことは言わないし、人を嘲笑うようなこともしない。
「妙な真似はするなよ。」
しっかりと念を押して舞木と別れた。
これ以上顔を見たくない。
間違いなく、あいつはAのことが好きなんだと思う。
まだ会って数日なのに、明日には別れるのに。
「気を付けないと。」
ライバル心なんかではなく、あいつは何か危険だと思った。
願わくば明日以降、Aと接点を持たないで欲しい。
「あいつがAの何を知ってるっていうんだ。」
口に出して、それは俺も同じなのではないかと思った。
俺はAの何を知ってる？
性格、趣味、誕生日、好きな物、嫌いな物、得意科目。
寝る時間が短いこと、少食なこと。
のんびりしたデートが好きなこと、甘えるのが苦手なこと、少し体温が低いこと、その分心が温かいこと。
いくらでも出てくる。
それなのに、自分がAを理解していると思えなかった。
俺はAを信用してるけど、Aは俺を信用してくれてるのか。
Aは俺といると苦しい……？
舞木の言うことなんて真に受けていない。
けれど、最近自分に自信がないことも事実であって。
気持ちを伝えると決めたのに、こんな風でどうするんだ……。
好きで、好きだからこそ、それを伝えることが本当に正しいのかわからなくなってしまった。
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noel(プロフ) - みおさん» ありがとうございます！ゆっくりのペースですが完結まで頑張ります！ (2022年3月21日 19時) (
レス) id: 546d15b4fb (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - ずっと更新待ってます！！！！！！ (2022年2月28日 23時) (レス) @page22 id: 861da81337 (このIDを非表示/違反報告)
noel(プロフ) - ゆきなさん» 不定期作品に付き合っていただいてありがとうございます！これからもよろしくお願いします^_^ (2020年7月19日 18時) (レス) id: fd0be5fd69 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - これからも無理せずに頑張ってください！楽しみにしてます！ (2020年7月19日 16時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
noel(プロフ) - 苑歌さん» ありがとうございます^_^ 今後も頑張ります！！ (2020年7月19日 15時) (レス) id: fd0be5fd69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：noel | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/noel_2/
作成日時：2020年7月19日 12時
