陸拾陸 ページ18
時計の針はとっくに真上を過ぎ、屋敷の中も静かになった。
睡魔に負けた方、酔い潰れた方。
蜜璃さんと小芭内様は見回りに行った。
「A、来週いっぱいで学校を移るそうね。」
「はい。キメツ学園へ行きます。」
杏寿郎様が厠へ行かれて、私はしのぶ様と二人で話をしていた。
「煉獄さんは、貴女に普通の幸せを感じて欲しいと、貴女を鬼殺隊に引き戻す事に消極的でした。」
「……何となく気付いてはいました。」
お館様が仰っていた、こちらの意向、というのはその事だろう。
「普通の幸せって何でしょうか？少なくとも私は、皆様の事を思い出せずに居るより、一緒に居られる今の方が幸せです。」
「そうね……。」
「しのぶ様も何かあったのですか？」
浮かない顔をしているしのぶ様。
何か後ろめたさを感じているような、そんな表情。
「私も、アオイには何も知らせていないのです。貴女の場合は戦力として必要だったけれど、彼女は戦うわけではないし、鬼に襲われる心配も少ない。」
「今どちらにいらっしゃるのですか？」
「音駒高校よ。」
「音駒さんに？」
「知っているの？」
「はい。」
バレー部の方々としか交流は無いけれど、こんなに身近に居たなんて。
「私は杏寿郎様とまた一緒に居られる事が、何より嬉しかったです。アオイさんも、きっとしのぶ様やカナヲさんにお会いしたいはずです。」
「けれど、彼女がこの世界に踏み入れる必要は無いのよ？今の家族も居るみたいだし。」
「しのぶ様だって、アオイさんの大切な家族です。」
私は杏寿郎様に会いたかった。
何を犠牲にしてでも、もう一度お側に居たかった。
「せめて、お姿だけでも見せてあげてください。」
「そうね……。次の長期任務から帰ってきたら、一度訪ねてみようと思います。」
「はい。」
普通の幸せも確かに大切な物だけれど、私は久々に鬼殺隊で集まって、話をして、そんな時間も幸せだ。
幸せだって一つじゃない。
笑顔でいられるなら、どんな場所でだって幸せになれる。
襖を勢いよく開けて、杏寿郎様が戻って来た。
「A！鍛原殿が来ているぞ！」
「え？」
鍛原様、私の日輪刀を作る刀鍛冶だ。
令和コソコソ噂話
刀同様に鍛えてやる、が信念
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noel(プロフ) - みおさん» ありがとうございます！ゆっくりのペースですが完結まで頑張ります！ (2022年3月21日 19時) (
レス) id: 546d15b4fb (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - ずっと更新待ってます！！！！！！ (2022年2月28日 23時) (レス) @page22 id: 861da81337 (このIDを非表示/違反報告)
noel(プロフ) - ゆきなさん» 不定期作品に付き合っていただいてありがとうございます！これからもよろしくお願いします^_^ (2020年7月19日 18時) (レス) id: fd0be5fd69 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - これからも無理せずに頑張ってください！楽しみにしてます！ (2020年7月19日 16時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
noel(プロフ) - 苑歌さん» ありがとうございます^_^ 今後も頑張ります！！ (2020年7月19日 15時) (レス) id: fd0be5fd69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：noel | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/noel_2/
作成日時：2020年7月19日 12時
