究竟、神秘主義【Blight】 ページ17
※アーカイブネタバレ有 夢要素激薄
・・・
果たして、これに理性が残っているのだろうか。
装飾のある杖を握り締めて、獣の如くグルグルと唸る異形の存在は、そのまま何をするでもなく私たちを凝視している。
皆が皆、緊迫した面持ちで、しかし手を止める訳にもいかず、ただ口を閉ざしたまま殺人鬼の目の前で修理を進める光景は、甚だ異様だった。
それが何故危害を加えないのかも分からない。
理由を持つ理性などがあるようには見えない。
その爛々と輝く目は私たち4人の姿をぼんやりと捉えているのだろうか？
分からない。...されど私が目をやる度に真っ直ぐに合う視線が、その答えを語っているのかもしれなかった。
発電機が一際大きく稼働音を上げ、頭上の電灯が眩く光る。
解放されたとばかりにゲートへ走り出す仲間達の背中を見詰めながら、私は一人動けず佇んだ。
その懐にちらりと、枯れた花を見る。
...しばしばこの世界に咲く花。幻覚作用のある蜜。
じっと待つ。ただ考える。何か、何かを覚えている。
それの、...彼の足元に一つ、転がっている空の注射器が目に入った。
その中に満たされていた黄金色の液体。
昔見た、黄色がかった結晶が脳裏を過ぎる。
どこで？...修道院で。
修道院、結晶...松果体...ジメチルトリプタミン。未知の幻覚物質。
彼は「竜の門口」と名付けた。神秘の秘匿、比類なき体験。
朧気ながら覚えている。
私の目を真っ直ぐ見て、興奮した様子で神秘について語る男を。
「......タルボット？」
金色に輝く目が、こちらを振り返った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 93人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Noel(プロフ) - レイ(元Night)さん» レイさんありがとうございます！！デススリ、大好きです……夢本当に少ないですよね…増やして…いきたい…！ (8月31日 1時) (
レス) id: ab5bbb1140 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(元Night)(プロフ) - めっちゃ好きです、デススリなかなかないのでありがとうございます、最高です。。 (8月30日 23時) (レス) id: 2a5a7e1b4d (このIDを非表示/違反報告)
Noel(プロフ) - 月神さん» コメント欄ではご遠慮お願いします〜 Twitterなどその他SNSやボードへの書き込みでしたら全然お聞きしますよ！ (8月10日 7時) (レス) id: ab5bbb1140 (このIDを非表示/違反報告)
月神 - うちのdbdのオリ（プレイヤー？）について聞いてもらえませんか？ (8月10日 1時) (レス) id: d36a24f29e (このIDを非表示/違反報告)
Noel(プロフ) - 月神さん» 素敵ですね！悪辣セーターおじさん私も一時期ハマってました！遭遇率が低いのだけ寂しいですが… (7月24日 20時) (レス) id: ab5bbb1140 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Noel | 作成日時：2018年12月16日 17時
