休暇はあなたと(お出かけ編) ガラシャ GWなので２ ページ31
「A！早く来るのじゃ！」
「そんな急ぐなよぉー…」
ほそっこい手が思った以上の力で俺の手を引っ張る。
せっかくの休暇なんだから、と。
俺はガラシャに城下町に引っ張られて来たのだ。
「で、何がご目当てだったっけ？」
「えっと、まず昨日開いたばかりの饅頭屋であろ？簪屋であろ？それから…」
ひい、ふう、みい…と指を折りながら目を輝かせる彼女に、俺はため息をついた。
せっかく二人で外出だってのに、俺はただの荷物持ちにしかならなそうだ。
まったく……
〜〜〜〜〜
「ん〜美味じゃのう！そう思うであろう、A？」
「そーっすねー」
もう日も西に傾き始めた頃。
賑やかい町の中心部から離れて、俺達は大量購入した饅頭を頬張る。
てか、饅頭以外にも色々大量購入したんだけどな…。
俺の両手にはいつくも荷物が下がっている。何で女子の買い物ってこんな荷物多いんだよ？
「あ、A！あんなところに綺麗な花があるぞ！」
「んー？おう」
ガラシャが指差したのは、木の上に咲いた薄い桃色の花。
「ちょっと取って来るのじゃ！」
「気をつけろよー？」
彼女はするすると身軽に枝を登っていく。
そして花に手を伸ばす。
「うーん…もう少し……」
「おいっ…」
嫌な予感。
彼女の細い指がしっかりと花を掴んだ、その時。
ずるり、と支えにしていた左手が枝から滑った。
「あっ…！？」
「このッ……！！」
目で見たものを理解するよりも早く、俺は走り出す。
両手の荷物も、食べかけの饅頭も放って。
木から地面へ彼女はまっ逆さま……その展開はいただけねぇ！
「はわっ！？」
「ぐえっ！」
かっこよく両手で受け止めるつもりが…残念。
勢い余ってガラシャは俺の背中に落下。
あぁ…俺かっこ悪い。
「A！？すまぬ、大丈夫か？」
「気にするな。花は取れたか？」
「うむ」
そっと微笑む彼女の手には綺麗な花が二輪。
「そちにも一輪渡そうと思って、手を伸ばしたら落ちてしまったのじゃ…助けてくれてありがとう、A」
「……どうってことねぇよ」
くすっと笑って、彼女は俺の髪に花を挿した。
俺も笑い返して、彼女の髪に花を挿してやった。
「さ、帰ろうか」
「えぇ…もう少し見たいのじゃ」
「勘弁してくれ…また連れて来てやるから」
「…約束じゃぞ？」
「わかったわかった。約束だ」
二人、小指を絡めた。
お前のためなら、英雄にも救世主にも、荷物持ちにだってなってやるさ。
月狐さんリク 「あなたが別の家に嫁ぐことになったら」→←休暇はあなたと(ゴロゴロ編) 柳生宗矩 GWなので１
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ヒヨコダイル - 皆さん、ここへリクエストを書くと、私は気づくのにとっても時間がかかります。お手数ですが、短編集リクエストは一番新しいところへお願いします (2017年9月17日 22時) (
レス) id: 3e0b1caa50 (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨコダイル - 紅姫さん» 了解です (2017年9月16日 12時) (レス) id: 3e0b1caa50 (このIDを非表示/違反報告)
紅姫 - はい！ 助けに来てくれた場面でお願いします！ (2017年9月12日 19時) (レス) id: b0efbd718f (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨコダイル - 紅姫さん» そろそろ小説がいっぱいなので５につくりますね (2017年9月10日 17時) (レス) id: 3e0b1caa50 (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨコダイル - 紅姫さん» 承りました。「囚われていたら」っていうのは、武将が助けに来てくれた場面を書けばよろしいですか？ (2017年9月10日 17時) (レス) id: 3e0b1caa50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヒヨコダイル | 作成日時：2016年10月9日 19時
