第44話【 ページ5
私には分からない
なぜこの試験で不合格者が半数も出るのかが謎である
田所 恵様のように痛んでいる食材を選ばざるを得なくなった生徒ならまだしも、痛んでいない食材を手にしたのに不合格になるのだろう
ただレシピ通りに作ればいいだけなのに
この試験、不合格になるほうが難しいのではと疑問に思うけれど、不合格者が多ければ多いほど私的には目障りな者がいなくなって嬉しいんですけれどね
さてさて、なにやら幸平様と四宮先生が揉めているが私には関係のないこと
面倒なことになる前に退散するといたしましょう
そう思いドアに手をかけた瞬間、四宮先生に名前を呼ばれた
ここは聞こえなかった振りをしよう
振り返ってはいけない、面倒なことに巻き込まれるから
私は問題ごとを起こして兄様に迷惑をかけたくないんだ
四宮「友達いなさそうな生徒ランキング1位の司 A」
貴女「友達なんていなくても生きていくことは可能ですし、貴方に言われたくはないですわ。四宮先生」
四宮「お前、周りから嫌われているだろ」
貴女「それはお互い様では」
彼は料理のプロであり、私はピアノのプロ
プロの世界は常に戦争
たった一回でも足元をすくわれてはいけない世界
周りに嫌われてなんぼの世界
貴女「それで、一体なんの御用でしょう」
四宮「お前はなぜ、先にカリフラワーを選んだ」
貴女「そんなのカリフラワーの中にあらかじめ痛んでるのが入っていたからに決まっているでしょう？取られる前に取る。いたって普通、当たり前の行動なのではなくて？」
あっ、今、めっちゃ睨まれてる
田所 恵様と四宮先生以外に
続く (更新停止中)
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