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トークルームに送られてきた地図アプリのリンクを頼りに、目的のマンションの下に辿り着いた時には、既に日が暮れていた。
そのマンションは、見上げると首を痛めそうな程、高く聳え立っている。
部屋番号を見る限り、高層階なのだろう。
こういう部屋に住んでいる女のところに泊まることもよくあるけれど、高校生が一人で暮らすには違和感がある。
インターホンを押すと、那須が出迎えた。
「入って」
「お邪魔しまーす。はいこれ、どうせ何も食べてないんだろ?」
「ありがと。」
途中のコンビニで適当に買った食事を渡す。
那須はそれを受け取ると、財布を持って来て多めにお札を渡してきた。
「はは、相変わらずな」
部屋はやはり無機質で、暮らしの跡がどこにも感じられない。
そこに置かれた最低限の家具も、買い揃えたのは那須ではないように思う。
窓からは、東京の夜景が広く見渡せた。
タワマンに住む女の部屋に来たら、こういう景色を褒めるだけで喜ぶのだけれど、那須はこの景色に大した思い入れはないだろうから、何も言わなくて良い。
「良かったの?俺なんか呼んで」
「大丈夫。あの人いま海外出張中だから」
「そうなんだ。」
那須がダイニングチェアに腰掛けたから、テーブルを挟んだ向かいに俺も座る。
「で、どうするの?」
那須が真剣な眼差しで俺を見つめた。
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呑(プロフ) - Athenaさん» Athenaさん、ありがとうございます!このお話は配役も展開も思い付きの行き当たりばったりで書いているのですが、褒めて頂けるのなら良かったです。更新頑張ります! (2020年6月4日 5時) (レス) id: 2d1b1a1819 (このIDを非表示/違反報告)
Athena(プロフ) - 呑さんのお話いつも楽しみにして読ませて頂いてます!人物の配役といい、話の展開といい目が離せません! (2020年6月4日 1時) (レス) id: dbbbb4e0c8 (このIDを非表示/違反報告)
呑(プロフ) - クラゲさん» クラゲさん、ありがとうございます。ただの欲望の落書きなので、ご期待頂くようなものではありませんが、そう言って頂けて本当に嬉しいです。モチベーションになります。 (2020年3月29日 22時) (レス) id: 01d1287c7a (このIDを非表示/違反報告)
クラゲ(プロフ) - コメント失礼致します。はじめまして。何回も評価ボタンを押したいほど好きです!更新楽しみにしています!もっとたくさんの人にこの作品を知って欲しいと思います。他の作品も読んでみます! (2020年3月29日 11時) (レス) id: c5ec0b2059 (このIDを非表示/違反報告)
呑(プロフ) - れさん» れさん、後れ馳せながら、コメントありがとうございます。励みになります。見切り発車ですがゆっくり頑張ろうと思うのでお手透きの折にぜひ。 (2020年3月21日 14時) (レス) id: 01d1287c7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:呑 | 作成日時:2019年12月21日 2時