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気が付けば学校の廊下を駆けていた。
「会いに行ってもいいんじゃないかな」
頭の中を反芻するのは、那須の声と優しい眼差しだった。
「適当なこと言うなよ、何も知らないくせに」
俺は声を荒げて那須にそう返した。
那須が俺の全てを知っていて、真剣に俺のことを想って言ったのは分かっていた。
けれど素直に聞き入れられないのは、怖いからだ。
聞きたいことがいっぱいあった。
聞いてほしいことがいっぱいあった。
けれど、会いに行く勇気がなかった。
そして、那須に当たってしまった。
攻撃的な言葉を発した喉が、焼けるように熱い。
俺は何から逃げているのだろう。走る足を止めた。
俺が帰って昼休みに一人、食事もとらずに勉強する那須の姿が頭に浮かんだ。
なんだか、無性に泣きたかった。
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呑(プロフ) - Athenaさん» Athenaさん、ありがとうございます!このお話は配役も展開も思い付きの行き当たりばったりで書いているのですが、褒めて頂けるのなら良かったです。更新頑張ります! (2020年6月4日 5時) (レス) id: 2d1b1a1819 (このIDを非表示/違反報告)
Athena(プロフ) - 呑さんのお話いつも楽しみにして読ませて頂いてます!人物の配役といい、話の展開といい目が離せません! (2020年6月4日 1時) (レス) id: dbbbb4e0c8 (このIDを非表示/違反報告)
呑(プロフ) - クラゲさん» クラゲさん、ありがとうございます。ただの欲望の落書きなので、ご期待頂くようなものではありませんが、そう言って頂けて本当に嬉しいです。モチベーションになります。 (2020年3月29日 22時) (レス) id: 01d1287c7a (このIDを非表示/違反報告)
クラゲ(プロフ) - コメント失礼致します。はじめまして。何回も評価ボタンを押したいほど好きです!更新楽しみにしています!もっとたくさんの人にこの作品を知って欲しいと思います。他の作品も読んでみます! (2020年3月29日 11時) (レス) id: c5ec0b2059 (このIDを非表示/違反報告)
呑(プロフ) - れさん» れさん、後れ馳せながら、コメントありがとうございます。励みになります。見切り発車ですがゆっくり頑張ろうと思うのでお手透きの折にぜひ。 (2020年3月21日 14時) (レス) id: 01d1287c7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:呑 | 作成日時:2019年12月21日 2時