５話 貴方side ページ6
私は一旦トイレに立った。
なんか…今日変だ。
いつもより酔い回るのが早い気がする。
疲れてるのかな。
ちょっと酔い覚ましてから戻ろうかな。
店の外に出ると少しは涼しい…じゃなくて寒っ。
上着持ってこようかな…。
貴 ｢はぁ…｣
やっぱ…下野さんからもっと離れて座ればよかった。
対面だと少しドキドキする。
向こうはそんなことこれっぽっちも気づいてないんだろうけど。
ていうか…諏訪部さん良い声すぎて…ヤバかった。名前呼びなんて達央さんくらいだし…。
女の人…慣れてるのかな。
あのからかい方やるの宮野さんと杉田さんだけなのに…また増えちゃいそう。
あんまり見せたくないんだけどな。
下 ｢みーつけた｣
貴 ｢何？｣
ヤバっ、一瞬ビクってしちゃった…恥ずかしい。
下 ｢風邪ひくよ？｣
貴 ｢うん｣
下 ｢まさか酔い覚ましとか？｣
貴 ｢…酔うことくらいある｣
下 ｢嘘だ〜失敗することとかないでしょ？｣
貴 ｢…１回だけあったかな｣
下 ｢いつ？｣
貴 ｢イベントの前の日。梶さんと飲んでて｣
あの日は…珍しく凄く酔っ払って…知らないうちにホテルの部屋に戻ってた。
あとで聞いたら梶さんが私をおぶって連れて行ってくれたらしいし…ほんと、消したい。あの日のこと。
下 ｢えっ、梶くんと？｣
貴 ｢うん。前乗り組が２人しかいなくて｣
下 ｢ふーん…それで？どうなったの？｣
貴 ｢…梶さんが私をおんぶしてホテルの部屋に連れて行ってくれたって言ってたけど｣
下 ｢え、何それ初耳…｣
貴 ｢初めて言ったもん｣
下 ｢俺も酔っ払って梶くんに風呂入れてもらったことあってさ…｣
貴 ｢…脱がされたの？｣
下 ｢そういう関係ではございません｣
貴 ｢ふーん…｣
下 ｢吉良ちゃんは…脱がされてないよね？｣
貴 ｢そんなことあるわけないでしょ｣
下 ｢だよね。よかった｣
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作者名：和華 | 作成日時：2018年11月20日 3時
