39話 貴方side ページ41
そんなこと言われたのって初めてだな…。
大概は勝手に告白してきて勝手に去って行くし…。
男の人と付き合ったことはあったけど、自分から告白したことなんてなかった。
だってずっと下野さんが好きだったんだもん。
それ以上に好きな人なんて…見つからなかった。
貴 「…普通だけど」
谷 「普通だったらそもそも俺ん家来ねーわ」
貴 「なんで?」
谷 「女の声優なんか呼んだって来ねーもん。皆冷てー…」
貴 「…呼んでるの?」
谷 「呼ばないけど。冗談だって。真に受けんな」
貴 「こう言っちゃなんだけど…遊んでそうなイメージだから」
谷 「どっかの誰かさんみたいに現場行ったら共演者が全員元カノだったなんてことあったらヤダもん」
貴 「それ都市伝説じゃないの?」
谷 「なんかマジだってよ?」
貴 「ふーん…」
谷 「まぁ俺も気になった人には声かけるけど…それ以外は必要以上に話しかけないし」
貴 「…多分挨拶くらいしかしてなくない?今まで」
谷 「イベントの時ちらっと話したじゃん」
貴 「えっ?あぁ、衣装?」
谷 「うん。今でも覚えてる。あの時スカートだったんだよな〜俺衝撃でさ」
貴 「あー…多分恥ずかしくて記憶抹消した」
谷 「こえーな」
下 「ただいまー…」
谷 「おかえり〜あれ、しもんぬテンション低いね」
下 「別にー…」
なんかすごい拗ねてるんだけど…だから言ったじゃん。ファンとしてだって。
そう、ファンとしてなの。
よく…あることだよね。
谷 「めんどくせー…だったらお前も口説けばいいじゃん」
下 「は?」
谷 「うわ、出たよマジギレおじさん」
下 「うるさい」
貴 「下野さんだって紀章さんにうるさいって言ってるじゃん…」
下 「俺はいいの!」
谷 「あーあ、駄目な先輩だな…」
下 「なんなんだよ…そっちからキスしたくせになんで俺が振られたみたいになってんの?」
貴 「別に振ってないし…告白なんてしてないんだけど」
下 「なんでしないの?」
あー…やっぱり来るんじゃなかった。
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作者名:和華 | 作成日時:2018年11月20日 3時