20話 貴方side ページ21
貴 「え?そんな恐れ多い…」
梶さんのライバルはもっと上の人かと思ってた。
梶 「だって吉良ちゃんの名前覚えたのって俺がオーディション落ちたのがきっかけだから」
貴 「でも私も梶さんに役取られたことあるし…」
梶 「ははっ、お互い様か」
貴 「うん…まぁ、仕方ないことだし」
梶 「でもなんか懐かしいなぁ。俺が落ちた役に受かった人が新人の女の子だって聞いた時ビックリしたもん」
貴 「…」
梶 「しかも演技凄かったし…」
貴 「…それはどうも」
梶 「あのさ、吉良ちゃん…話変わるんだけどさ」
貴 「何?」
梶 「下野さんのこと…なんだけど」
貴 「…まだその話する?」
梶 「だって…キスだけして告白もせずに帰ったんでしょ?」
貴 「別に…付き合いたいわけじゃないし」
したかったから…しただけ。
目の前に下野さんがいて…私は下野さんの家にいて。雰囲気に流されて衝動でキスしてた。
梶 「…素直じゃないんだから」
貴 「ていうか…下野さん言ってたじゃん。妹みたいだって」
梶 「だから告白しないの?」
貴 「好きっていうのと付き合いたいって言うのは違うでしょ」
梶 「好きだったら付き合いたいって思わない?」
貴 「…思わない」
現場で会って…一緒に仕事できたらそれで満足なの。ずっとそこに憧れて声優になったし。
満足だったのに…どうしてキス…したんだろう。
梶 「完全に憧れの好き?」
貴 「…うん」
ヤバイ。なんか急に涙出そう…。
梶 「もし下野さんが他の人と結婚しても嫉妬しない?」
貴 「…する」
梶 「じゃあ好きなんじゃん」
貴 「だから、嫉妬はするけど自分がそうなりたいっていうのとはまた違うの」
梶 「…はぁ」
貴 「…」
梶 「じゃあ…俺にキスできる?」
貴 「は?」
梶 「こんなに俺のグッズあるんだもん。俺のことも憧れじゃないの?ていうか…好きでしょ、俺のこと」
貴 「は!?」
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作者名:和華 | 作成日時:2018年11月20日 3時