10話 梶side ページ11
時間もいい頃合いになって、顔が赤くなっている人もいる。
「そろそろこの辺でお開きにしようか。だいぶ酔ってる人いるし…」
そういうのは監督だ。
そしてその目線の先には下野さん。
下 「だーかーらー!違うって言ってんでしょーが!」
ったくもう…酔うとすぐ熱くなるんだから…。
「ていうか…吉良さんもだし…」
えっ。珍しい…寝てる。
福 「うわ、吉良ちゃんの寝顔初めて見た…」
岡 「意外と可愛いんですね…」
あーあ、岡本くんまで可愛いとか言っちゃってるし。
いいの?下野さん。吉良ちゃんが可愛いなんて知ってる人たくさんいるんだよ?
梶 「下野さん、吉良ちゃん家知ってる?」
下 「え?なんで?」
梶 「ん」
俺は吉良ちゃんを指さした。
下 「…知らないけど」
あー…もう。
こっちはこっちでめんどくさいなぁ。
下野さん完全に拗ねてる。
梶 「なんとかしてよ、先輩でしょ?」
下 「梶くんがなんとかすれば?梶くんも先輩でしょ?」
梶 「あなた同じ事務所でしょうが」
こんな日に限って女性キャストは吉良ちゃんだけ。スタッフも全員男だし。
下 「なんで俺なんだよ…あ、そうだ。中村くんなら家知ってるんじゃないの?」
マジで知らないのか。
そういえば一匹狼だもんな…誰かが遊びに来たとか遊びに行ったなんて話聞いたことない。
中 「下ちゃんが知らないのに俺が知ってるわけねーだろ」
下 「…」
梶 「下野さん責任取って連れて帰ってよ。ああ見えても女の子だし」
下 「…どこがだよ。俺よりイケメンなくせに」
梶 「そんなこと言うとまた無視されちゃうよ?」
下 「はぁ…」
福 「どうすんの?誰も持って帰らないなら俺持って帰っていい?」
下 「何言ってんすか!?駄目に決まってんでしょ!」
福 「お前、先輩やぞ」
下 「あ、すいません…ったく、しょうがねえなぁ…」
下野さんはぶつぶつ文句を言いながらどこかへ電話をかけた。
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作者名:和華 | 作成日時:2018年11月20日 3時